第十話 内なる修羅
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「彼だってそうだし」
「キラ君だって」
「キラ君まで」
「けれど皆頑張ったのよ」
ミサトは彼等を出してミナキに言う。
「必死ね。トウマ君だって」
「それは・・・・・・」
「見ていなかったわね、彼の努力を」
ミサトはわかっていた。今それを突き付けたのだ。
「だからあんなことが言えたのよ」
「それでもシステムLIOHは」
「あれね」
リツコはそれを何でもないといった感じで言い捨てた。
「あれを見なさい」
「あれを?」
「そうよ」
モニターを指差していた。ミナキはそれに従いモニターを見た。
「あれがそのシステムLIOHよ」
「嘘・・・・・・」
ミナキはモニターを見て絶句した。そこにいたのだ。
敵味方関係なく無差別に攻撃を繰り出す雷鳳だった。敵を倒し終え今度はゼンガーの乗るダイゼンガーに攻撃を仕掛けていたのだ。さながら鬼神の様に。
「おおおおおおおおおおっ!」
「どうして!?どうしてこんな」
「貴女はシステムLIOHのことが何もわかっていなかったのよ」
リツコは冷徹とも取れる声でミナキに言うのだった。
「あのシステムは。平和をもたらすものではないわ」
「じゃあ一体」
「狂気をもたらすものよ」
それがリツコの答えだった。
「今トウマ君はそれに取り込まれているわ」
「嘘よ、じゃあお父様は」
「トオミネ博士ね」
ミサトがミナキの父について言及してきた。
「お父様を知っているんですか!?」
「ええ、有名だったから」
あえて今こう述べたのだった。
「確かに優秀だったわ」
「はい」
「けれど」
「えれど?」
優秀と定義したうえでの言葉であった。
「心がなかったわ」
「心が・・・・・・」
「よくある話ね」
ミサトはここで一旦溜息をついた。
「優秀であっても心が伴っていないのは」
「どういうことなんですか!?お父様は何を」
「あのシステムLIOHはね」
「はい」
「簡単に言うとバーサーカーシステムなのよ」
ノーベルガンダムを出してきた。
「アレンビーの話は聞いているわね」
「気持ちが昂ぶると闘争本能に心が捉われて」
「そういうこと。システムLIOHも今は同じね」
「じゃあトウマは」
「そうよ」
そうミナキに告げた。
「闘争本能に心を奪われているわ。完全に」
「そんな。トウマが・・・・・・」
「トオミネ博士は世に認められなかったわ」
今度はリツコがミナキに告げた。
「それを恨んでシステムLIOHを開発して」
「じゃあLIOHは」
「人の心を利用して暴走させるシステムだったのよ。それに捉われると」
「まさか!?」
「そうよ、命が危ないわ」
リツコはモニターを見ながらあえてクールに言う。しかしその目はトウマから離れはしない。彼女もまたトウマを心から心配して
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