第十話 内なる修羅
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折角何とか残ったんですから」
ユリカもトウマのことは気にしていた。
「それで万が一があっては困ります」
「そうです」
ルリがユリカのその言葉に頷いた。
「トウマさんも頑張って欲しいです」
「その通りです。それにしてもルリちゃん」
「何ですか?」
「貴女結構熱血漢好きなのね」
ユリカはそうルリに言うのだった。
「一矢君とか」
「一途な人は好きです」
ルリもそれを認める。
「一矢さんみたいにあそこまで一途にエリカさんを愛せたら。本当に素晴らしいことです」
「そうね。それを考えると変わったわね」
ユリカは今のルリの言葉ににこりと笑ってみせた。
「ルリちゃんも」
「私もわかりましたから」
その顔は微かに笑っていた。
「私も馬鹿なんだって。同じなんだって」
「そうね。ロンド=ベルは皆馬鹿よ」
ユリカも笑って述べる。
「私もです」
「そうですね。だから私も好きなんです」
笑みがさらに深くなる。
「ロンド=ベルもトウマさんも」
「さあ、それじゃあミサイル発射です」
ユリカはまた言う。
「攻撃目標百鬼帝国マシン、トウマさんの周り」
「トウマ君よけちゃってね」
ハルカが軽い調子でトウマに声をかける。
「危ないから・・・・・・って!?」
ここで異変に気付いた。
「トウマ君、返事は?」
「・・・・・・・・・」
返事はなかった。明らかにおかしい。
「どうしたのかしら。ちょっと」
また声をかける。だがやはり返事はなかった。
「応えてよ。どうしたの!?」
「絶対におかしいですよ」
それを見てハーリーが言った。
「トウマさん、返答して下さい、早く」
「危険です」
ルリはすぐに異変を察した。
「トウマさんに何か起こっています」
「何かが!?」
見れば雷鳳は異常な暴れ方を見せていた。周りの敵を叩き潰している。それは今までのトウマの戦い方とは明らかに違っていた。
「あれは一体」
「くっ、何だあれは!」
ヒドラーもそれを見て声をあげた。
「異常な強さではないか!あいつに攻撃を集中させよ!」
「あれにですか」
「そうだ!全力でだ!」
残りの全ての予備戦力を向けさせようとする。
「よいな!」
「わ、わかりました」
「それでは」
部下達もそれに頷く。そうして予備戦力を全て向けたが。
「うおおおおおおおおおおおっ!!」
普段のトウマではなかった。すぐにその向けられた戦力も粉砕してしまったのだった。さしものヒドラーもそれを見て顔を強張らせるのだった。
「駄目だ」
すぐに決断を下した。
「あのマシンは倒せはできぬ」
「では閣下」
それを受けて参謀達が問う。
「ここは撤退ですか」
「無人の機体だけ残しておけ」
足止めの為であるのは言うまでもない。
「よいな」
「はっ」
「
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