暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第十話 内なる修羅
[1/19]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
               第十話 内なる修羅
トウマは偵察の用意に当たっていた。皆それは知っていたがあえて見に行きはしない。ただ静かな沈黙を彼の前では守るだけだった。しかし彼の前以外では。
「あったまくるんだよ!」
シンであった。激昂する声をあげる。
「何だよ本当にあの態度!」
そう叫ぶ。見ればカガリも同じである。
「全くだ!」
今回はシンに対して怒ってはいない。ミナキに対してである。
「トウマを何だと思っている!そして何様だ!」
「珍しく意見が合うな」
それにシンも気付いた。
「御前も頭にきてんのかよ」
「当然だ!」
カガリはその激昂した声で応える。
「ぶん殴ってやる。本当に」
「ああ、俺もだ!」
シンもそれに同意する。
「今から!この手でな!」
「私も行くぞ!」
「だから待つんだ」
そんな二人をアスランが止める。彼は冷静な顔を作っている。作っているのだ。
「幾ら何でも暴力は」
「何甘いこと言ってるんだよ、アスラン」
しかしシンはその言葉に賛成しようとしない。
「御前だってあの女には頭にきてる筈だぞ」
「だったらどうしてだ!」
「確かに俺もミナキさんには不愉快なものを感じている」
アスランもそれは認めた。
「シンともカガリとも同じさ、それは」
「だったらどうして!」
「私達を止める!」
「ミナキさんを殴って何か解決するか?」
アスランはそう二人に問うてきた。
「何っ!?」
「それで二人共気が晴れるか?晴れないな」
「あ、ああ」
「それはな」
二人はその言葉を聞いて俯いた。そのその通りだからだ。
「それでも」
「あんな女。許せる筈がない」
「だからそれはわかるんだ」
アスランはあくまで彼等に同意する。しかし。
「俺だって殴りたいものだ、ミナキさんを」
「だろ!?」
「だったら今から」
「だからそれで何も解決しないんだ」
アスランは暗い顔で二人に語る。
「トウマさんの心だって救われない」
「トウマさんの」
「問題はそこなんだ」
暗い顔のまま語る。
「ミナキさんはどうでもいいんだ。トウマさんこそが」
「そうだったな」
カガリも今それに気付いた。彼女とて愚かではない。
「トウマがどうにかならないと結局は」
「わかったな。だからここは堪えるんだ」
「くっ」
「シン、御前は間違ってはいない」
アスランは壁を殴りつけたシンに対して言った。
「トウマさんが心配なんだな」
「ああ」
シンもその言葉に頷く。
「あんなふうに言われて追い出されてって。何なんだよ」
「確かに酷い話さ」
アスランも俯いた。顔もさらに暗くなっていた。
「けれどな。今ここで俺達がミナキさんをどうにかしても」
「トウマさんはどうにもならないんだよな」
「そうだ。あのま
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ