第九話 立ち上がれ!勇気ある者達
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るで突き放すように。
「まだ戦いは続いている。ならばそこに向かえ」
「は、はい」
その言葉にはすぐに頷いた。
「じゃあ行きます。俺も!」
「トウマさん、横は俺が!」
「私が!」
竜虎王は虎竜王になった。その姿で敵に一直線に進む。
そうしてその手に持っている立ちで雷鳳の周りの敵を薙ぎ払いトウマをフォローする。ミナキはそんな彼等も見ていた。
そのうえで呟く。無念と嫌悪に満ちた声で。
「駄目だわ」
次に雷鳳を見た。そうしてまた言うのだった。
「全然力を引き出していないわ。お父様の開発された力を」
「これは」
ミサトはそんな彼女の呟きを聞き逃さなかった。懸念が現実になっていくのを感じていた。
「いよいよまずいわね」
「嫌な予感が当たったわね」
リツコもそれに応える。
「本当にこの後大変なことになるわね」
「ええ」
「やっぱり・・・・・・無理なのね」
ミナキはトウマの戦いを見ていた。そのうえで唇を噛み締めていたのだった。
戦いは佳境に入っていた。トウマはフローカのオロチに向かっていた。
「フローラだったな!」
「ええ、その通りよ」
フローラは不敵な笑みを浮かべて彼に応える。
「そうか。じゃあやってやる」
「私を倒すとでもいうのかしら」
「そうだ、その通りだ!」
全身に力を込めて言葉を返す。
「ここで貴様を。そうして」
「生憎だが無理ね」
「何だとっ!?」
トウマはその言葉に顔を上げた。侮りを受けたと感じた。
「俺では御前は倒せないっていうのか!」
「その通り。さあ」
オロチを動かして攻撃に入る。
「返り討ちにしてあげるわ。覚悟!」
「くっ!」
トウマはオロチのその攻撃をかわそうとする。だが反応が遅れた。今まさに炎に包まれようとしていた。
「うわっ!」
「危ないっ!」
そこにレーツェルのトロンベが来た。すぐにスラッシュリッパーでその炎を退けた。
「レーツェルさん!」
「間に合って何よりだ」
レーツェルは穏やかな笑みをトウマに向けて言った。
「すいません」
「何、礼はいい」
彼はそうしたことにはこだわらなかった。彼は。
「困った時はお互い様だからな」
「けれど俺は」
「私も君に何度か助けてもらっている」
レーツェルはここでまたトウマに言った。
「えっ!?」
「聞こえなかったか。君に何度も助けてもらっていると」
「そんな、それは」
「私は嘘はつかない」
気品のある笑みで彼に言うのだった。
「君が気付いていないだけでな」
「俺が」
「そうだ。しかしだ」
レーツェルはまた言う。
「君の他にも気付いていない娘がいるな。これが問題だ」
「気付いていない娘!?」
トウマはそう言われてまた声をあげた。
「あの、俺悪いけれど女の子にもてたことなんか」
「それ
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