第九話 立ち上がれ!勇気ある者達
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せんよ」
不敵な笑みになっての言葉だった。
「会長です。アズラエルグループの」
「そっちか」
「まあ複数の会社の社長でもありますが。さて」
またトウマを見やる。
「彼に何かあった時の用意でもしておきましょうか」
「何かか」
「はい。用心の為です」
そう凱に述べてからクサナギに戻る。そうしてそこの自室で何かをするのであった。
まずは邪魔大王国が琵琶湖南岸に姿を現わした。それなりの数であった。
「やはり滋賀だったな」
大文字は彼等の姿を認めて言う。
「予想通りだ」
「そうですね。ただ」
その横にいるサコンが言葉を付け加える。
「もう一つの相手がまだですが」
「おそらくは時間差で来る」
大文字はそう呼んでいた。
「だから油断は決してできはしないな」
「そうですね。それじゃあ」
「敵の援軍に警戒しつつ陣を敷いてくれ」
そう全軍に伝える。
「いいな、まずは前方だ」
「わかったぜ」
トウマがそれに応える。
「じゃあ前に出て、と」
「あの、トウマさん」
クスハが彼に声をかけてきた。同じ小隊にいるからである。
「何だ?」
「御気をつけて」
そう彼に言ってきた。
「何か緊張されているみたいですけれど」
「いや、俺は別に」
トウマはクスハの今の言葉に目を少し丸くさせて言葉を返した。
「そんなことはねえけれどな」
「そうですか?」
「ああ。何でそう思ったんだ?」
「いえ、動きが」
「俺もそれは感じました」
ブリットも言ってきた。
「トウマさん、緊張はかえって」
「別にそんな気はねえんだけれどな」
彼にも言われてどうにも不思議な気分になった。
「何か。おかしいのかね」
「私達の気のせいでしょうか」
「それじゃあ」
「俺は別に」
自分ではそう返す。
「何ともねえけれどよ」
「だったらいいんですけれど」
「けれどトウマさん」
ブリットはまだ言う。
「本当に焦ったら駄目ですよ」
「ああ、それはわかっている」
トウマは別に嫌な顔をせずにそう返した。
「だから安心してくれよ」
「わかりました。それじゃあ」
「前方の敵接近してきます」
ここでミドリからオペレートが入った。
「邪魔大王国です」
「よしっ」
トウマは彼等の姿を確認して気合を入れる。しかし。
ミナキは彼のその姿を見て何かを考えていた。だがそれを口に出すことはなくただ彼を見ているだけであった。それはミサトも見ていた。
「これはまずいかもね」
「気付いたのね」
「ええ、まあね」
リツコにも答える。
「責任転嫁ってやつかしら」
またミナキを見て言う。
「よくあることだけれど。あまりいいものじゃないわね」
「そうね。ただ」
今度はリツコが言った。
「本人は気付いていないわ」
「そのことにも」
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