第八話 混沌の大地
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は褒めた。
「けれど」
「けれど」
「あまり無理はしないで」
それがミネバの本音であった。
「無理をですか」
「そうよ。ハマーンに何かあれば」
顔を不安の色がさらに包み込む。
「私は。誰を頼りにすれば」
「御安心下さい」
ハマーンは不安げな顔になるミネバに対して穏やかに笑って言うのだった。
「私は常にミネバ様のお側にいますので」
「万が一ということもないのね」
「そうです。ですから」
そう言って彼女を安心させる。
「御心配なく。ただ」
「ただ?」
「殿下を不安にさせたことは謝罪致します」
こう述べて片膝を折ってきた。
「ミネバ様をその様な御気持ちにさせたこと。御赦し下さい」
「ハマーン、そんなことは」
ミネバはそんなハマーンを見て慌てた顔になった。
「顔を上げて。いいから」
「ミネバ様」
「私はハマーンが無事だったらそれでいいの」
また本音を語る。
「それだけだから。だから」
「左様ですか」
「だから。顔を上げて」
またハマーンに言う。するとハマーンはようやく顔を上げたのだった。
「そして。一緒に何か食べましょう」
「それでしたらミネバ様」
ハマーンの笑みが母親か姉のようなものになった。家庭的な優しい笑みであった。
「もう用意しております」
「何を?」
「今日はプリン=アラモードを作っておきました」
ミネバに言うのだった。
「プリンを」
「はい。冷蔵庫に冷やしています」
意外と家庭的なハマーンであった。
「私の分もありますので。それでは二人で」
「うん、二人で」
二人で食べると聞いて上機嫌になるミネバであった。
「食べましょう。けれど」
「他の者もですか」
「プリンは二人分だけかしら」
ミネバはそのことを考えて少し困った顔になる。
「まだあればいいけれど」
「それについては御安心下さい」
ハマーンはまた言うのだった。
「冷蔵庫にかなりありますのでそれで」
「そう。皆食べられるのね」
「そうです。それでは」
「ええ」
ミネバは笑顔で応える。こうして戦いが終わり皆でデザートとなったのであった。
デザートは好評だった。皆ハマーンのプリンを褒め称える。
「また腕あげられましたね」
ファがそう言って彼女を褒める。
「凄く甘くてそれでいて」
「あっさりしているわ」
フォウも言う。
「口触りが凄くよくて。これなら幾らでも」
「私とて女なのだ」
ハマーンは笑って彼女達に言葉を返す。
「料理もする。いやむしろ」
「ハマーン様はミネバ様の料理を常に作ってこられたのだ」
イリアが皆に説明してきた。
「だからこうしたことはお手の物なのだ」
「そうだったんだ」
「それで」
「けれどそれって凄いことよ」
セシリーはそれを聞いたうえでハマーンを褒め
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