第六話 妖花フローラ
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第六話 妖花フローラ
百鬼帝国は今は退けた。だがロンド=ベルに急速は訪れなかった。
「おいおい、もう来たのか」
宙は敵襲の言葉を聞いて声をあげた。呆れたような顔になっている。
「それもこんなに早くか」
「宙さん、敵は待ってはくれないわよ」
美和が宙に対して言ってきた。
「向こうにも向こうの都合があるんだし」
「じゃあその向こうを叩き潰すだけだな」
宙はいつもの彼の調子でこう言葉を返した。
「そうだろ、ミッチー」
「ええ。じゃあ行きましょう」
「わかった。ところでだ」
宙はまた言った。
「今度の敵はどっちなんだ?また鬼の方か?」
「いや、どうやら違うらしい」
トウマがそう答えてきた。
「違うのか。じゃあ」
「ああ、あの女だ」
「あの女・・・・・・フローラか」
「場所は熊本だ」
場所まで告げられた。
「市街地へ向かっている。早く行かないと一般市民にも被害が出るぞ」
「そうだな。急ぐか」
「ああ。それにしても」
「それにしても。どうしたんだ?」
「いや、ケーキがな」
宙は少し苦笑いになった。それはトウマにもわかった。
「まゆみの誕生日なんだ。それで買ってやろうと思って」
「あら、ケーキでしたら」
一番出てはいけない女ラクスが出て来た。
「私に作らせて下さい」
「あんたがか」
出て来たラクスを見て宙もトウマも顔が凍った。
「宜しければ」
「それいいわね」
マリューも来た。
「私もまゆみちゃんにケーキを」
「マリュー艦長、あんた」
「こう見えても私ケーキは好きだし」
「いや、それでもよ」
トウマはこっそりと呟いた。
「料理が上手いかどうかは別だろ」
「ケーキなら」
また出て来た。今度はクスハが。
「作らせて下さい、是非」
「おい、どうするんだよ宙」
トウマは蒼白になって宙に問うた。
「このままだとまゆみちゃんが危ないぞ」
「あ、ああ」
宙も何時になく戸惑った顔で彼に言葉を返す。
「まずい、早く何とかしないと」
「あとミナキが来たら・・・・・・」
来た。殆ど彼が呼んだようなものだった。
「来たよ、おい」
「くっ、このままだとミナキが」
「誰か、誰かいないのか」
必死に辺りを見回す。見れば海がいた。
「海ちゃん、いいところに」
「宙さん、トウマさん、どうしたのよ」
海は蒼白の二人の顔を見てその切れ長の目を少し丸くさせた。
「まるで爆弾が落ちたみたいよ」
「爆弾どころじゃないんだよ」
トウマはそう彼女に言う。
「このままだと。本当に大変なことが起こる」
「ケーキが。悪魔のケーキが降臨する」
宙もよりによって物凄い例えをする。
「そして何もかもが終わる。俺達は一体どうすれば」
「ケーキですか?」
海はここで
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