第五話 百鬼帝国
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るとまた」4
「今度も出て来るというのか」
「ああ。まさかとは思うけれどな」
今度はコウに言った。
「闇の帝王みたいなのがな」
「それはあるかも知れないな」
万丈が宙のその言葉に頷いた。
「万丈、御前もそう思うのか」
「僕も勘だけれどね。そんな気は確かにする。ひょっとしたら」
「おいおい、またここで訳わかんねえ敵が出て来るのかよ」
二人の言葉を聞いて勝平が声をあげる。
「何か話がややこしくなってくるぜ。またよ」
「ややこしくなるのはいつもでしょ」
勝平に恵子が言った。
「勝平はどっちかというとそっちの方がいい癖に」
「おい、そりゃ何だよ」
思わずその恵子に文句をつける。
「それじゃあ俺が揉め事大好きみたいじゃねえか。失礼な奴だな」
「その通りだろ」
今度は宇宙太が言ってきた。
「どっちにしろ戦わなくちゃいけないんだ。それだけのことだ」
「それもそうか。じゃあ俺はこのまま前に出て来る連中をぶっ潰してりゃいいんだな」
「それはまた単純過ぎるけれど。まあそうね」
「御前はそうやってろ。その方が俺達も楽だ」
「ちぇっ、何か腑に落ちない言われ方だな」
勝平はここで無理に納得しようとした。ところがそうは話がいかなかった。
「けれど。そうはいかないかも知れない」
言ったのはエイジだった。
「エイジさん」
「おそらくバルマー軍はまた来る。その時はマーグ司令の軍だけとは限らない」
「そうだよな。あのユーゼスみてえなのが来るってのも考えられるんだよな」
リュウセイがエイジのその言葉に曇った顔を見せる。思い出したくないものを思い出してしまい、曇ってしまった。そうした顔であった。それがそのまま出ていた。
「あんなのがな」
「いや、バルマーはもっととんでもない奴等がいる」
エイジの顔はリュウセイのそれより曇っていた。暗く沈んだ顔だった。
「とんでもない!?」
「そう。バルマー外宇宙方面軍」
その名前を出してきた。
「彼等は。あのユーゼス=ゴッツォよりも酷い連中なんだ」
「あのユーゼスよりも!?」
「そんなになのか」
それを聞いてアヤとライが声をあげる。
「司令のハザル=ゴッツォ。この男は最悪だ」
「ハザル=ゴッツォ!?」
「バルマーで最悪の男だ」
リュウセイに語る声が険しくなる。どうにもならない程に。
「バルマー人以外を人間と見なさない。傲慢で残忍な男だ」
「そんな奴は何処にでもいるね」
沙羅がそれを聞いてその整った顔を顰めさせる。
「本当にね。嫌になるよ」
「それどころじゃない」
だがエイジの言葉はこうであった。
「前にも話したがギガノス軍もいるんだ」
「ギガノス!?」
今度は雅人が声をあげた。
「バルマー軍外宇宙方面軍にだよね」
「そうなんだ。だからこそ彼等の相手は」
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