第五話 百鬼帝国
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」
「じゃああれかよ」
甲児はそれを聞いて言い返す。
「今の戦いは小手調べっつうのかよ」
「その通りだ、兜甲児よ」
「しかも俺の名を知ってやがるのか」
「貴様のことは有名だ」
「おっ、そりゃいいな」
有名と言われて悪い気はしない。とりわけ甲児のようなタイプは。
「俺も有名になったもんだぜ」
「ちょっと甲児君」
調子に乗る甲児を見てさやかが声をかける。
「褒められてるんじゃないわよ」
「おっと、そうか」
「そうかじゃないわよ。全く」
「けれどよ、やっぱり有名だって言われたらよ」
「気持ちはわかるわ。けれどね」
さやかはまた注意する。
「よく考えてよ。敵に知られてるのよ」
「俺のこと全部かよ」
「そうよ。だから」
「ふむ、弓さやかか」
ヒドラーは今度はさやかに顔を向けてきた。
「貴様のことはもまた知っている」
「つまり研究済みってことね」
「そうだ。ロンド=ベルのことは事前に研究している」
そう答えてきた。
「貴様等全員のことはな」
「へっ、また随分と慎重じゃねえか」
甲児はそれを聞いて言う。
「そこまで俺達のことを知りたいのかよ」
「全ては勝つ為に」
そう甲児に述べる。
「我等百鬼帝国がな」
「では聞こう」
今度は竜馬が問うた。
「ヒドラー元帥」
「何だ」
「御前達は俺達を完全に滅ぼすつもりだな」
そうヒドラーに問う。
「だからこそ。俺達を研究してきたんだな」
「その通りだ」
隠しはしなかった。笑いながら言うのだった。
「貴様等に勝利し、この地上を我等がものとする」
「地上に出るというんだな」
今度は隼人が問うた。
「人間にかわって」
「ふふふ、それこそ我等が悲願」
笑ってまた答える。
「我等百鬼帝国のな。だからこそ」
「そんなことさせてたまるかよ」
弁慶が声を強くさせた。
「俺達だってな、この地上で生きる為に」
「それは我等も同じこと」
ヒドラーはまた言い返す。
「光溢れる地上に。住む為に」
「引かないってのかよ」
武蔵が言った。
「どうしても」
「そう、どうしてもだ。これは戦いなのだ」
ヒドラーの言葉が傲然としてきた。
「我等鬼と貴様等人間のな。だからこそ」
「わかった。なら受けてやる」
隼人が応える。
「その戦いをな」
「ふふふ、降伏はないぞ」
ヒドラーは笑って言った。
「これは種の生存をかけた戦いなのだからな」
「それはわかっている。なら俺達だって負けられない」
竜馬は述べる。そこには確かな意志があった。
「絶対にな」
「では我々も引きはしない」
「ああ、勝ってみせる」
互いに言い合う。迷いはない。
「そして地上を俺達の手に」
「我等が奪ってみせようぞ」
そう言葉を交わし退いていく。ここでの戦いはこれで
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