第五話 百鬼帝国
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。エリカさんとのことも」
かなりの苦難であった。しかし彼はエリカを救い出した。
「この戦いのことも。私は一矢さんに人の強さを教えてもらいました」
「いや、俺はそんなに強くはないさ」
しかし一矢はこう言うのだった。
「俺は。ただエリカと一緒になりたかった。だから」
「それが凄いんだ」
しかし京四郎が彼にこう言う。
「京四郎」
「皆駄目だろうって思ったさ」
また一矢に言う。
「相手はバルマーで敵の司令官の妹さんだ。誰だってな」
「けれど一矢さんはそれを退けられて」
ルリはまた述べる。
「エリカさんと一緒になることができました。それこそが本当の強さです」
「それがある限り御前は大丈夫だ」
京四郎が親友として声をかけた。
「俺も最初は。駄目だと思ったけれどな」
「お兄ちゃんを見ていたらね」
ナナも笑って述べる。
「何でもできるんだって。思えたから」
「そうなのか」
「ですから今回も行きましょう」
ルリがまた言った。
「次の戦いへ。いいですね皆さん」
「おうよ!」
「最初からそのつもりだ」
豹馬と健一が応える。
「では全軍三重県へ」
ルリはあらためて指示を出した。
「そして」
「勝つぜ!」
最後に豹馬の声が響いた。そうして彼等は津市に向かうのだった。
津市に到着するともう百鬼帝国の軍勢が郊外にまで来ていた。そこでロンド=ベルを待ち受けていたのであった。見ればかなりの数であった。
「来たな地上人共」
後方にある巨大な移動要塞から声がした。
「我等は百鬼帝国。地上を我等がものとする為に来た」
「やいやい、どういうつもりだ!」
勝平が彼に対して言う。
「攻めて来るなんてよ!」
「だから言っておろう。地上を我等がものにすると」
「そういう手前は誰だ!」
勝平は今度は違うことを問うた。
「早く言いやがれ!」
「我が名はヒドラー」
そう言って己の姿を見せる。
「百鬼帝国の軍を預かる者だ」
「つまりは敵の司令官ね」
恵子はそれを聞いて述べる。
「敵の」
「そういうところだ」
ヒドラーもそれに答える。
「そこの小娘はわりかし頭の回転が速いな」
「どういたしまして」
「それでヒドラー元帥か」
宇宙太が彼に問うてきた。
「今度は何だ?」
「あんた、ここに来たのは街を制圧に来たんじゃないな」
「わかるのか」
「わかるさ、小手調べといったところか?」
彼はそう読んできた。
「俺達の戦力を確かめに」
「それもある。しかし」
「しかし?」
「ここで倒すつもりでもある。人間共の中で最も強い戦力を持つ貴様等をな」
「やれるもんならやってみやがれ!」
勝平はいきり立って彼に返した。
「俺達だってそう簡単にはやられねえぞ!」
「そうだ、そう簡単にやられるわけにはいかない
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