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レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission6 パンドラ
(7) 霊山頂上(分史)~ニ・アケリア村 参道側通用門
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「ミラ様! お怪我はっ」
「ない、けど……その、助けてもらっておいて悪いんだけど……あなた、誰? 私を知ってるの? ここ、私の世界じゃないんじゃなかったの?」
「あ……」

 もうどこからどう処理すればいいか分からない。ルドガーは一人頭を抱えた。小さく「ガンバ」と言ってくれる横のエルが、騒動の渦中にあって一服の清涼剤だった。

「――何があったの?」
「その質問あと5分早くすべきだったな、ジュード君」

 レイアとアルヴィンが一部始終を説明する間、ジュードは何度もミラをちらちら見やった。

「そんなことが……」
「ルドガーは責めるなよ。積極的に口車に乗せたのは俺だ」
「アルヴィンだけじゃないよ! わたしもミラに、わざと誤解させるように話し、た……」

 アルヴィンとレイアの気持ちがルドガーは痛いほど嬉しかった。二人ともルドガーと責を分かち合おうとしてくれている。その心遣いが、荒れた胸に沁みた。


「なるほど。それで連れが増えたのか。かなり興味深いな」


 イバルに続く闖入者に、全員が声の方向をはっとふり向いた。

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