第三話 闘志、炎に燃ゆる
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マ達も見ている。まずは彼等の到着に安心していた。
「それじゃあ俺達は今のうちに」
「うん」
「彼等が防いでいてくれる間にな」
兵士達も安心していた。しかし少女はまだ動こうとはしない。トウマはそんな彼女にまたしても声をかけるのであった。
「今のうちに」
「けれど」
「むっ、まずいぞ」
ここで兵士の一人が言う。
「敵の数が増えた」
「ロンド=ベルも本隊が到着したが。このままでは激しい戦いになる」
もう一人の兵士も言ってきた。
「早く安全な場所に」
「さあ」
「わかりました。けれど」
少女は観念したように兵士達に応えてきた。
「私はここで」
「だからですね」
またトウマが言った。
「このままここにいても」
ここで新たに出たハニワ幻人の攻撃がすぐそこに当たった。ビルが崩れる。
「うわっ!」
「きゃっ!」
幸い死人は出なかった。だが側のビルが崩れ逃げ惑っている人々の中に怪我人が出ていた。
「いかん、子供まで」
「君達、済まないが」
兵士達は子供が怪我をしたのを見て慌ててそちらに向かう。
「すぐに戻る。だが今は」
「我々も」
「ええ、わかってます」
トウマは分別のある顔でそれに応えた。
「子供の方が先ですね」
「そうだ、今は」
「申し訳ないが」
彼等はすぐに負傷した子供達のところに向かう。見れば傷は決して浅くはない。頭から血を流して泣いていた。
「あんな子供まで・・・・・・」
トウマは泣き叫ぶ子供の姿を見て呻く。
「しかもすぐそこまで来ていやがる。このままだと」
そして少女を見た。彼女の前に出る。
「あんたも一緒に逃げるんだ、皆と一緒に」
「いえ」
だがまたしても首を横に振った。
「ここはやっぱりあれしかないわ」
「あれしかって!?」
「雷凰」
少女は言う。
「あれしか」
「それ・・・・・・何だ!?」
「巨大ロボットよ」
少女はまた彼に答えた。
「お父様が作り上げた」
「わかった、じゃあそれに乗らせてくれないか」
トウマは反射的にそう少女に言うのだった。
「このままだと皆が」
「貴方が!?」
「そうなんだ。俺こう見えても経験豊富で」
そう少女に述べる。
「昔色々とやっていてさ。ロボットの操縦も」
「けれどあのロボットは」
しかし彼女はここで渋る。
「そう簡単に動かせるものじゃ」
「けれどこのままだと」
彼は頼み込むようにして彼女に言う。
「皆が」
「・・・・・・皆が」
「そうだよ、ロンド=ベルも来てくれてるけれどさ」
「おいニコルまずいことになってるぜ!」
そこでデイアッカが叫んでいた。
「一般市民のところにまでよ!」
「いけません、怪我をしている子までいるようですね」
「くっ、ならば俺が!」
イザークがそれを見てすぐに向かう。
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