第二話 激戦のプレリュード
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はエイジの今の言葉に顔を顰めさせた。
「あのユーゼス=ゴッツォを思い出すよ」
「そうだな」
亮は沙羅のその言葉に頷いた。
「正直戦いたくはない相手だ」
「けれどそいつ等も来るんだよね」
雅人は沙羅に比べると少し弱気な感じだった。
「だとしたらこれからは」
「簡単な話だ」
しかし忍はいつもの調子であった。
「来やがったら全員ぶっ殺す。それだけだ」
「ああ、その通りだ」
エイジの答える顔は微妙に影がさしていた。
「グラドス人は間違っている。自分達こそが偉いと思っているから。十二支族の誇りが彼等を間違った方向に進ませているんだ」
「そうか」
「そうなんだ。だから彼等は」
「けれどよ」
忍は苦い顔をするエイジに問うてきた。
「あんた、そのグラドス人だったよな」
「うん、その通りさ」
苦い顔で彼に言葉を返す。
「地球人とのハーフだ。僕はそんなグラドスに嫌気がさして」
「ここに来たってわけか」
「彼等はバルマーの中でも特に憎まれている」
それも道理であった。高慢で居丈高ならば自然とそうなる。
「彼等がそれに気付いてくれればいいんだけれど」
「少なくともあんたは気付いたよな」
「ああ」
忍の言葉に頷く。
「誰かなんて関係ねえよ。気付くか気付かないかだ」
彼にとってはそうだった。
「それだけのことさ」
「有り難う」
「礼なんていいさ。ところで御呼びだぜ」
「あっ、うん」
また忍の言葉に応える。
「帰還だ。まあ戦艦の中でゆっくり話そうぜ」
「わかったよ。それじゃあ」
こうして戦争を終えたロンド=ベルは一旦は戦争から心を離した。しかしそれはほんの一瞬に過ぎなかった。また一つ勢力が現われたからであった。
「えっ!?」
「まさか」
それを聞いて誰もが驚いた。それは当然のことであった。
「邪魔大王国が」
「まさか」
「だがそのまさかだ」
大文字が驚く一同に説明する。
「今報告が入った。また九州に再び姿を現わしたのだ」
「九州に!?」
「じゃああのヒミカがまた」
「いや」
しかし彼は宙のその言葉には首を横に振った。
「女王ヒミカも三将軍も存在してはいない」
「では一体」
ククルが大文字に問うてきた。
「何者が」
「それについてだが」
突如としてモニターが開いた。そこに司馬博士のコンピューターが現われる。
「父さん!」
「宙、大変なことがわかった」
彼はそう息子に告げてきた。
「大変なこと!?」
「そうだ、銅鐸に書かれていた恐怖の王者だが」
「闇の帝王じゃなかったのか」
「違う。また別の存在だったのだ」
司馬博士はそう息子に語る。
「それは竜魔帝王」
「竜魔帝王!?」
「それこそが真の恐怖の王者だった。今それが復活したのだ」
「そんな、それじゃあ」
宙
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