暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第50話 地味にストレス爆発で剣を作ります
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も言いましたが、その剣は作りませんよ」

「分かっている。私だけに作ったら、シルフィアがへそを曲げるからな」

 母上にこの刀を渡すと、試し切り用の鉄人形を作る為に、貴重なライン以上の土メイジを振り分ける話が出て来ます。そんな余裕は家に無いので、返って母上のフラストレーションをためる事になりかねません。切る物を探しに行くのはドリュアス家の仕事量的に、取り寄せたり作るのは予算的に不可能です。

 それになんだか続きをする気分じゃ無くなりました。

「……さて、後片付けでもしますか」

「そうだな」

 父上が同意すると後片付けを始めます。

「この場の土を使いすぎましたね」

 土を《錬金》で鉄に変えてしまったので、私が訓練したこの一角は窪んでしまっています。それに私がこのストレス解消(くんれん)を始めてから、マギ商会の鉄が供給過多気味になっているので、この場にある残骸を純度調整して出すと怒られかねません。

「土に戻しましょうか」

「そうだな」

 2人で魔法を解除し、鉄を土に戻して行きます。そして、私の方が人形の数が少なかった所為でしょう。父上より早くこの作業が終わりました。

「父上。こちらは終わりました」

「私は後3……いや2体だ。直ぐに終わる」

 私は父上の作業が終わるのを黙って見ていました。

(……あれ?)

 父上の作業を見ていると、何か引っかかる物を感じました。そして最後の一体が土へと還り、ゆっくりと崩れて行きます。私はその姿を、瞬きもせずに見つめ続けました。

「父上。試してみたい事があるのですが、協力してくれませんか?」

「ん? 良いぞ」

 先程父上から返してもらった刀の《硬化》と《固定化》を解除します。そしてその刀を父上に渡すと……

「その刀を鉄に《錬金》してみてください」

「何故だ? 流石にそれは惜しいのだが」

「お願いします」

 私がキッパリと言い切ると、父上は頷いてくれました。

「分かった。《錬金》」

 父上の魔法が発動して、タングステン・ベリリウム合金製の刀がただの鉄の刀へと変わりました。

「ありがとうございます。《錬金》」

 私は簡易金床とハンマーを作りだし、刀の腹にハンマーを思い切り振りおろしました。

「うっ うわぁ も、もったいない」

 父上が五月蠅いです。しかし私の予想通り、見事に折れ曲がりました。続いて私の苦手は火系統の魔法を使い刀を真っ赤に加熱すると、刀身の先から3割程の位置で叩き折り刀身の真っ赤な所を重ねハンマーで打ちます。やっている事は刀の製造工程の折り返し作業と同じですが、これはあくまで実験です。そして五月蠅い父上を無視して、淡々と作業を進めると直ぐに終了しました。
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