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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第50話 地味にストレス爆発で剣を作ります
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 私が行商で卸していた商品の中で、フルーツ類は高い人気がありました。その供給がパタリと止まったのです。彼らの中でドリュアス領との貿易を望む声が出て来ても不思議ではありません。と言うか、察するに結構切羽詰まってるみたいですね。しかし……

「残念ながら、その話はお受けできません」

「!?」

「な なんで!? かなりの利益が出てるって言ってたじゃない!!」

 ビターシャルが絶句し、ルクシャナが悲鳴に近い声を上げました。その様子からすると、断られるとは思っていなかったみたいですね。と言うか、私は「どんだけフルーツに飢えているんだよ!!」と言う突っ込みを、口から出る寸前で呑みこみました。

「ええ。かなり大きな利益が出ていました。しかしそれは“相応のリスク”を背負っていたから出た利益でもあるのです。そのリスクとは、他の人間にエルフと交友を持っている事が知れれば、ドリュアス家は異端として裁かれると言う物です」

 私の言葉にビターシャルが頷き、ルクシャナが不服そうな顔をしました。

「以前は精霊達の依頼と言う事で、危険を冒してまでネフテスとの接触を図りました。そのついでと言っては何ですが、ばれない範囲で行商を行っていたにすぎません。それは調査の依頼も同様です」

「……貿易の利益だけでは、リスクを冒すだけの価値が無いと言う事か」

 理解が早くて助かります。それにエルフ謹製のマジックアイテムは、安全に捌ける量に限りがあります。出所を疑われれば、そこからエルフとの関係が露呈する事になりかねないからです。……つまりこちらには旨みが殆ど無いと言う事ですね。

「ですが、折角良い関係を築きつつあるのに、それを不意にするのは私達も本意ではありません」

 ビターシャルは難しい顔をしたままですが、ルクシャナは嬉しそうな表情をしています。私の左右と背後から2人……特にルクシャナに憐みの視線を向けているのは、気のせいと思いたいです。

「そこでそれを解決する案を考えました」

 私が笑顔でそう口にすると、何故かビターシャルの顔が引きつりました。……何故でしょう?

「ネックとなっているのは、ドリュアス家が負うべきリスクです。逆を言えば、そのリスクさえ何とか出来れば問題はありません。そこでダミーの商会を作ってしまうと言うのは如何でしょう?」

「商会?」

「はい。今あるリスクを、その商会に全て背負ってもらうのです」

 要するにトカゲのしっぽ切りですね。万が一発覚しても、マギ商会は食料品の取引をしていただけと言いはれます。他の問題(輸送方法等)は、エルフ側に解決してもらいましょう。

 ……魔法の道具袋? 貸しませんよ。精霊からの預かり物なのに、気軽に又貸し良くない。

「と言う訳で、商会の管理運営は
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