暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第50話 地味にストレス爆発で剣を作ります
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ぁ――――!!」

 突然の音と共に、龍が空高く逃げて行った。何が起きたのだ!?

「さて、これで材料がそろいました。父上はこれを加工鉄化してください」

 そう言ってギルバートが差し出して来たのは、漆黒の鱗だった。間違いなく息子の使い魔である龍の物だ。

「鍛冶場の中に、ミスリル、チタン合金、タングステン・ベリリウム合金が纏めてありますので、それらも同様に加工鉄化して各溶鉱炉へお願いします。加工鉄化した鱗は3等分して、それぞれの溶鉱炉へ入れてください。インゴットが出来たら、一度加工鉄化を解いてください。私が掛け直します」

 淡々と説明するギルバートに、私は怒りを覚えた。

「ギルバート!! お前自分の使い魔に……」

「何か?」

 ゾワッ ゾワッ ゾワッ!!

「い いや、なんでもない」

 ギルバートと目があった瞬間、何も言えなくなってしまった。と言うか、普通に怖い。そこで初めて周りを見ると、全員が私を縋る様な目で見ている事に気付いた。そしてその期待が、諦めへと変わって行くのも分かった。

「説明を続けます」

 何なのだろう? この空気。ここはアウェーか? いや、ギルバート以外は全て味方なはずだ。アウェーとは言わないだろう。なのに何この劣勢感。ギルバートは淡々と説明を続けているが、息子相手に勝てる気がまるでしない。

 やがてギルバートの説明も終わり、作業を始めようとした時……

「ギル!! ティアを苛めるなんてどうしたの!?」

 おおっ。対ギルバート用の最終兵器(カトレア)が来た。私も含め、その場に居る人間に希望が見えた。これで何とかなる。

「ああ。カトレアですか。必要に迫られましてね。苛めた訳じゃありませんよ」

 笑顔で返すギルバート。だが返答になっていない。このままガツンと言ってやって……

「そう。なら仕方が無いわね。……あっ。それから私、実家に遊びに行って来るわね。ティアとレン。それに、ディーネ、アナスタシア、ジョゼットを連れて行きたいのだけど」

 カトレア嬢の顔が、思いっきり引き攣って見えるのは気のせいだろうか?

「問題ありませんよ。カリーヌ様によろしく伝えてください。それからルイズの事をよろしくお願いします」

「ええ。分かったわ」

 そう言うと、そそくさとその場を立ち去ってしまった。

 後にアナスタシアから聞いたのだが、カトレア嬢は「あの状態のギルとは、怖くて一瞬でも一緒に居たくないわ」と言っていたそうである。まったくもって同感なのだが、見捨てないでほしかった。

「さぁ、作業を始めますよ」

 ギルバートの号令と共に、作業を始める事となった。

 まあ、私は加工鉄化のみの担当なので、すぐに逃げられるのが唯一の救い
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