訓練模様と……
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が大変そう……」
と、ぼやいていた神無だが、訓練所に常備されているハンターが頻繁に使う道具のリストを持ち出し、今まで使ってきた道具やまだ使った事の無い道具を見比べて、その主な使用法などを休憩がてらに調べ始めた。
夏空と梓は飛び道具使いということで、ヴォルフが投じた木の的を撃ち抜く所から始まった。
射撃訓練場を横切る形で投じられる的は緩急を織り交ぜ、中には軌道が急に変化するものまであり、更には拳大の石まで的の中に含まれるようになった。
途中から面白そうだからと小冬が反対側から的や石を投げ始め、それがヴォルフ目掛けて飛ぶようになったのはご愛嬌。
結果、夏空と梓の技量は若干ながら夏空が上ということが判明。
左右から投じられる的の幾つかを梓は外し、対する夏空は装填中でもなければ滅多に外さなかった。
勿論お互いに放つ矢と弾は一本と一発だ。
「飛び道具は撃てない時が致命的な弱点となる。矢を番える時、薬室や弾倉に弾が無い時、残弾には常に気を配る事。それと一応言って置くが間違っても味方を撃つな」
「はい〜」
「まだダメだったかぁ」
夏空と梓は訓練再開よりも先に自身の武器の手入れに入り、終わり次第的の作成に掛かった。丁度暇をしていたらしいアイルー達が手伝いに来たので作業は捗ったようだ。
椿のテストは水入り鞠を殴る物・避ける物と色別に分けて決め、ヴォルフが緩急と変化球も交えて彼女に向けて、あるいは意図的に外れるように投じ、それを避けたり殴った。
「反射神経を鍛えろ。それと回避の際にハンマーの重さに動きを取られていた。重さ、持っている手、それらを全て考慮した上で判断する事」
「うぅ、難しい」
「その内慣れる」
梓は如何に力が強くても扱いきれていないことが悔しい事と、自身の怪力から目を逸らしたくても逸らせない事に複雑そうな顔で鞠が直撃した頭を摩っていた。
全員の実力を大体確認したヴォルフは改めて、この場に集った者達を見やる。
それぞれが違う武器を手にしたハンター達。実力は初級の初級だが見所はあった。後はチームワークと実戦経験を積んで行けば形になって行く筈だ。
「もうダメだぁ〜! 動けねえ〜」
と、ヴォルフが思案に暮れていたところで正太郎が情けない声を上げて地面に大の字で転がった。槍と楯は完全に手から離れている。
構えの訓練を大体二時間程行っていた。あの大きな楯と槍を構えては収めて、また構えて……を繰り返すのは精神的にも中々疲れる。因みに、ヴォルフは訓練と努力に苦痛を感じなかったりする。
「どんなに疲れても武器は手放すな。死に繋がる」
「……訓練でも?」
「何の為に鍛えている?」
「……そうだな。すまねえ」
正太郎は起き上がると自分の武器である楯と槍を背負う。
「分かれば良い」
ヴォルフはそう言う
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ