暁 〜小説投稿サイト〜
とある星の力を使いし者
第48話
[1/11]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
シェリーが倒れてもエリスは動きを止めているが身体が崩壊してはいなかった。
警備員(アンチスキル)もエリスが動いてはいないがまだ残っているので攻撃の手を緩めない。
上条は自分の右手でエリスに触ろうかと思った時、上条の右手を麻生が掴み言った。

「まだだ、あいつは意識を失っていない。」

その言葉を聞いた上条は倒れているシェリーの方を見る。
確か自分は手加減なしでシェリーを殴ったつもりだった。
さらに麻生も一緒に殴っている、上条が疑問に思っていると麻生が答える。

「おそらく、浮遊術式でもかけていたんだろう。
 そのおかげでエリスの震動も自分には通じなかったし、俺達が殴る瞬間、その術式を利用して後ろに飛んで衝撃を緩和したんだ。」

麻生はそう説明して忌まわしく舌打ちをする。
すると、シェリーは倒れたまま笑い声をあげると、オイルパステルを抜刀術のように振るい地面に模様のような、記号のような、判読不能の何かが勢い良く床へと書き殴られる。

「ちくしょう!
 二体目を作る気か!?」

「うふふ、できないわよ。
 ああしてエリスが存在する以上、二体同時に作って操る事などできはしない。
 大体、複数同時に作られるのなら初めからエリスの軍団を作っているもの。
 無理に作ろうとした所で、どうやっても形を維持できない。
 ぼろぼろどろどろ、腐った泥みてーに崩れちまう。
 けどなぁ、そいつも上手く利用すりゃあ、こういう事もできんのさ!!」

瞬間、シェリーが描いた文字を中心点にして、半径二メートルほど、彼女が倒れている地面が丸ごと崩れ落ちた。
シェリーは崩壊に巻き込まれ、まるで地面に呑み込まれるように姿が消える。

「くそっ!!」

上条は慌てて駆け寄ったが、そこには空洞しかなかった。
穴は深く、何メートルあるかも分からないが、底の方から空気の流れのようなものを感じる。

「地下鉄の線路が通っているのだろう。
 上手く利用されたな。」

麻生も穴の底を見つめながら言う。
すると、動きの止まっていたエリスが、バラバラと音を立てて崩れていった。
エリスが崩れるのと同時に、銃声の渦もピタリと止まる。

「おかしい。」

ふと、穴を見つめながら麻生は呟いた。

「おい、当麻。
 あの女が此処に来た理由を教えろ。」

麻生にシェリーの目的を教える。
それを聞いた麻生は周りを見渡す。
まるで誰かを探しているかのようだった。

「おい、インデックスはどこだ?」

「インデックスか?
 それなら白井の能力で外に・・・・」

そこまで言うと上条は何かに気づいた。
シェリーは戦争の火種を欲しがっていたのに、そのターゲットの内の二人である上条と風斬が目の前にいるのにどうして逃げたのか。
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ