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とある星の力を使いし者
第48話
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なく、上手く「妹達(シスターズ)」を全世界に蔓延する為のものだった。

「これがイギリス清教に知られれば即座に開戦だな。」

「馬鹿馬鹿しい妄想を膨らませるな。
 私は別に教会世界を敵に回すつもりは毛頭ない。
 なにより人工天界を作るには、オリジナルの天界を知らねばならない。
 それはオカルトの領分、科学にいる私には専門外だ。」

「ぬかせ、お前以上に詳しい人間がこの星にいるか、そうだろう。
 魔術師、アレイスター=クロウリー。」

彼は世界で最も優秀な魔術師であり、世界で最も魔術を侮辱した魔術師でもある。
彼は極めた魔術を全て捨てて、一から科学を極めようとした。
これこそが魔術に対する世界最大の侮蔑だ。
故に、アレイスターは全世界の魔術師を敵に回してしまう。

「丸っきり負け惜しみになるが、お前に一つだけ忠告してやる。」

「ふむ、聞こうか。」

「オレにはお前が考えている事など分からないし、説明を受けても理解はできないだろう。
 だが、あの幻想殺しを利用するというのなら覚悟しろ。
 そして、麻生恭介。
 あいつはお前が思っている以上に特殊な存在で、甘く見ているとお前の世界を破壊するかもしれんぞ。」

彼がそう告げるとタイミングよく空間移動能力者が部屋に入ってきて、土御門は部屋から出て行く。
そして、土御門と入れ替わるように何もない所からブクブクと泡が噴き出してくる。
それはどんどん増えていくとやがて人の形へと形成していき、最後には全身を真っ赤なローブを着こんだ人の姿へと変わる。
身長はおよそ一六五センチくらいの小柄な体型だ。

「ごぎげんよう、アレイスター殿。」

その者はペコリ、と頭を下げてアレイスターの名前を呼ぶ。

「君達か、何か用かね?」

アレイスターは特に驚く事無く、突然やってきた来客に返事を返す。
その口ぶりからすると何回は会っているかのようだ。

「いいえ、あの星の守護者の様子を見に来たついでにご挨拶をと思いまして。」

「余計な気を遣わなくても構わない。」

「いいえ、教皇様から貴方様には一度は挨拶をするようにと言われております故に。」

「そちらがそう言うつもりなら好きにしてくれて構わない。
 こちらもこちらで君達には感謝している。
 何せ、麻生恭介の情報を教えてくれたのだからな。」

その言葉を聞いて赤い服を着込んだ者はうっすらと笑みを浮かべる。

「君達が教えてくれなければ彼の扱いに未だに困っていたかも知れない。
 本当に感謝しているよ。」

「喜んでいただいて何よりです。
 それではまたお会いしましょう。」

そう言ってバン!!と音を立ててその者の身体が弾け飛んだ。
アレイスターはその者がいた所を黙って見つめて
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