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とある星の力を使いし者
第48話
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る。
その瞬間、オイルパステルの手にシェリーは粉塵を突き破るように飛び掛かってくる。

「死んでしまえ、超能力者!!」

鬼のような罵声を放つ彼女の顔は、しかし泣き出す寸前の子供のようにも見えた。
麻生は拳を握りしめながら言う。

「止めて欲しいんだな。
 振り上げた拳をどこに振えばいいのか分からないんだな。
 それなら俺がその拳を受け止めてやるよ。」

麻生は右手でシェリーの持っているオイルパステルを砕き、左手でシェリーの顔面を殴り飛ばした。
ガンゴン!!、という凄まじい音を立てて彼女の身体は構内の地面に跳ね回った。
柱に寄りかかるようにして倒れているシェリーを麻生は一瞥して来た道を引き返していく。

「私を殺さないのか?」

後ろからシェリーの声が聞こえた。
麻生は振り返らずに答える。

「俺はある人と人を殺すなと約束しているから殺さない。」

「なら、禁書目録の所にも行かないのか?」

「それは当麻が行っているから問題ないだろう。」

「苦戦しているとは考えないのか?」

「そんな事は正直どっちでもいい。
 あいつ自身が守ると誓った幻想くらい、あいつで守ってもらわないとな。」

そう言って麻生は来た道を引き返すのだった。
大穴の真下まで戻り能力を使い地下街まで戻ってきた麻生だが、穴の前には穴に突入する前よりも警備員(アンチスキル)の人数が増えていた。
その先頭には愛穂が立っていて、穴から突然出てきた麻生を見て驚くが麻生だと分かると抱きしめてきた。

「おい、愛穂・・・」

「心配したじゃんよ!!
 怪我とかしてない!?」

「どこも怪我はしてないが・・・・その・・抱きしめるのは時と場合を考えてほしいんだけど・・・」

「え?」

周りを見ると他の警備員(アンチスキル)達が信じられないような表情を浮かべている。
それもその筈、愛穂はあらゆる意味を込めて「勿体無い女性」という評価を受けている。
だが、今の愛穂の行動や表情を見る限りまさに一人の恋する乙女に他の警備員(アンチスキル)達には見えたのだ。
あらゆる意味で衝撃的展開なのだが、麻生だけはその事に気づいていないようだ。

「えっと・・・・これは・・・その・・・・」

「愛穂、何か面倒な事になりそうだから俺は寮に戻る。
 この先にあの女が倒れている筈だから。」

じゃあ、と言って麻生は警備員(アンチスキル)達の壁を突破してさっさと逃げていく。
後ろからは愛穂の声が聞こえたが麻生は無視して寮に戻るのだった。












「これで満足か?」

ドアも窓も廊下も階段もエレベーターも通風孔すら存在しないビルの一室で、土御門元春は空中に浮かぶ映像から目を離して
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