第48話
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自分の大切な友達を殺した人間に対する復讐か。
それとも、もう二度とこんな悲劇を繰り返さないという誓いか。
麻生の言葉を聞いたシェリーは奥歯を噛みしめる。
「ちくしょう、確かに憎いんだよ!
エリスを殺した人間なんてみんな死んでしまえば良いと思っているわよ!
魔術師も科学者もみんな八つ当たりでぶっ殺したくもなるわよ!
だけどそれだけじゃねえんだよ!
本当に魔術師と超能力者を争わせたくないとも思ってんのよ!
頭の中なんて始めっからぐちゃぐちゃなんだよ!」
相反する矛盾した絶叫が暗い構内に響き渡る。
彼女自身もそれに気づいているのか、余計に自信を引き裂くような声で叫ぶ。
「信念なんか一つじゃねえよ!
いろんな考えが納得できるから苦しんでいるのよ!
たった一つのルールで生きてんじゃねえよ!
ぜんまい仕掛けの人形みたいな生き方なんてできないわよ!
笑いたければ笑い飛ばせ。
どうせ私の信念なんか星の数ほどあるんだ!
一つ二つ消えた所で胸も痛まないわよ!!」
シェリーの叫びを聞いた麻生はもう一度ため息を吐いて言った。
「そこまで分かっているのにどうして気がつかない。」
「何ですって?」
「お前の言っている事は滅茶苦茶だし矛盾ばかりしている。
けど、お前が一番思っている信念は少しも揺らいでいない筈だ。
星の数ほどあると言ったがお前は最初から一つしかないんだよ。
お前は大切な友達を失いたくなかった、ただそれだけだろ。」
シェリー=クロムウェルがどれほど、それこそ星の数ほどの信念を持っていても一番最初の根っこの部分は変わらない。
全ての信念は、彼女の友達の一件から始まり、そこから分岐・派生した形にすぎない。
どれだけ信念があろうとも彼女がその友達に対する想いだけは、ずっと変わっていない。
「ここにあの幻想殺しがいればあいつはこう言っていた筈だ。
自分の大切な人を奪うなってな。」
その言葉を聞いたシェリー=クロムウェルの肩がビクリ、と震えた。
彼女は分かっている。
その願いがどれだけ大事な望みであり、それを奪われた時の痛みがどれほどのものかを。
それでも彼女には届かない。
なぜならそれはかつて彼女自身が放った事があった叫びだからだ。
「我が身の全ては亡き友のために!!」
そして彼女は拒絶するように絶叫した。
ビュバン!!と、彼女の手の中にあるオイルパステルが閃く。
シェリーのすぐ横の壁に模様が走った瞬間、それは紙粘土のように崩れ落ちた。
巻き上げられる大量の粉塵があっという間に二人の視界を遮断してしまう。
蠢く霧のような灰色のカーテンが迫り来るが麻生は微動だにせず拳を構え
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