第48話
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闇の先から声がかかる。
その先には薄汚れたドレスを引きずるようにして、シェリー=クロムウェルが立っていた。
お互いの距離はおよそ一〇メートル強。
その傍には、暴虐の象徴たる、エリスの姿はない。
「エリスなら先に追わせているわよ。
今頃もう標的の元に辿り着いているかしら。
それとももう肉塊に変えちまっているかもなぁ。」
「テ、メェ・・・っ!!」
上条は低く腰を落として拳を握る。
「当麻。」
不意に麻生が上条の名前を呼んだ瞬間、麻生は上条の胸ぐらを掴むとそのままシェリーに向かって投げ飛ばす。
「「!?」」
投げられた上条は訳が分からず、シェリーは自分に向かってくる上条を咄嗟にかわしてしまう。
シェリーに避けられてしまいそのまま地面に何度も転がる。
一〇メートル以上も投げ飛ばされれば意識を失う可能性が高いが、そこは麻生の投げ方がうまいのか上条はふらふらと立ち上がる。
「先に行け。」
立ち上がった上条の耳にはそう聞こえた。
その言葉を聞いて上条は麻生が自分を投げ飛ばした意味が分かった。
おそらく、シェリーの目的は時間稼ぎ。
二人で掛かればすぐに倒せるかもしれないが、エリスがインデックスの所に向かっているこの状況では一分一秒も惜しい。
それならエリスに触れるだけで倒せる上条を麻生は先に行かせたのだ。
上条はそのまま振り返りインデックスと、そこへ向かったであろう風斬の元へ急ぐ。
「行かせるか!!」
シェリーは上条の方に振り返ろうとした時、ヒュン、と何かがシェリーの耳元を通り過ぎた。
後ろを見ると立っている柱が横一線に切り裂かれていた。
「お前の相手はこの俺だ。」
シェリーは視線を麻生の方に戻す。
「やっぱりあの魔術はお前の仕業か。
能力者であるお前がどうして魔術を。」
「説明すると長くなるが簡単に言うと俺はそこいらの能力者とは違うんだよ。
俺もお前に聞きたい事がある、どうして戦争の火種を欲しがる?
今はどちら側もバランスがとれている筈だ。」
麻生の問いかけにシェリーは口元に含んだ笑みを浮かべて、彼女は告げる。
「超能力者が魔術を使うと、肉体は破壊されてしまう。
お前は例外みたいだけど。」
質問と全く違う答えだが、麻生は黙って聞く。
「おかしいとは思わなかったの?
一体どうしてそんな事が分かっているかって。
試したんだよ、今からざっと二〇年ぐらい前に。
イギリス清教と学園都市が、魔術と科学が手を繋ごうって動きがウチの一部署で生まれてな。
私達はお互いの技術や知識の一つの施設に持ち寄って、能力と魔術を組み合わせた新たな術者を生み出そうとした。
その結果が・・・・」
その先を言わなくても麻生
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