第48話
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「あいつは逃げたんじゃない。
目標を変えたんだ。
警備員に守られていないあと一人のターゲットにな。」
そこまで言われ上条はようやく気づいた。
「くそ・・・インデックスか!!」
上条はそう叫ぶと急いで警備員の元に駆け寄った。
おそらく、地下街の封鎖を解いてもらいに行ったのだろう。
麻生は封鎖はすぐには解かれないと考える。
警備員には様々な管轄があり、それぞれに命令系統が存在する。
愛穂達の警備員の管轄では独断で隔壁をあげる事は出来ないだろう。
なぜ、この事を麻生が知っているのかというと前に愛穂がこの管轄や命令系統の事で愚痴をこぼしていたからだ。
麻生の能力で隔壁を上げる事は出来るが、そうすると愛穂に迷惑をかける可能性があるので上げるに上げれない状況でもある。
(そうなると此処からシェリーを追うしかないな。)
麻生は目の前にある底の見えない穴を見つめながら思う。
その時だった。
「待て、風斬!!」
上条の叫び声が聞こえ後ろを振り向いた時、麻生の隣を風斬が走り抜けシェリーが空けた大穴の縁から、飛び闇に落ちる。
上条は咄嗟に手を出して風斬の腕を掴もうとしたが、反射的に利き腕である右手を出してしまったので捕まえる寸前で手が止まる。
風斬の身体はAIM拡散力場、つまり異能の塊である。
そんな風斬の身体に上条の幻想殺しが少しでも触れれば風斬の身体は崩壊するだろう。
そして風斬は深い闇の底へと落ちていった。
「くそ!!」
上条は自分の右手を強く握りしめながら叫ぶ。
これほどまでに自分の右手の能力を忌々しく思った事はないだろう。
上条はすぐにでも追いかけたいところだが目の前の大穴はどれくらいの深さなのか暗くて何も分からない。
少なくとも無暗に飛び込めば自分の足がどうなるかくらいは想像できた。
上条は周りを見渡し何は縄になる物を探す。
そんな上条を見ていた麻生は無線機で誰かと言い争いをしている愛穂に近づく。
ちょうど会話が終わったのか無線機から顔を遠ざける。
「愛穂。」
「恭介か。
どうやら無事みたいで良かったじゃん。」
「まぁな、それよりも隔壁は上がらないのか?」
「命令系統が違うからもう少し時間がかかるじゃん。
逃げたテロリストも追いかけないといけないのに。」
「その逃げたテロリストは俺が追いかける。」
麻生の言葉を聞いた愛穂は驚いた表情をする。
「何を言ってるじゃん!!
あんな先も見えない暗闇じゃテロリストがどこにいるか全く分からないじゃん!!
もし罠とか仕掛けていたら怪我ですまないかもしれない!!」
「まだあい
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