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茨の王冠を抱く偽りの王
05.訓練
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「あっ、シュウでいいですけど.....」

その瞬間、一瞬のうちに集が地面に倒された。

「車椅子は私の個性みたいなものよ。遠慮なんかいらないわ。お分かり」

「集!!大丈夫か!!」

集はそのまま気絶してしまったようだ。
その代わりずっと俺の背中で寝ていた少女が目を覚ました。

「うっ、う.......ここは?」

「あっ、やっと気がついた。どこかケガとかしてない?」

「大丈夫だよ、王様」

「イバラ、あなたが背負っていた少女は誰なのですか?ガイからは、気にするな、と言われましたが」

四分儀さんがたずねてくる。

「それが俺もよくわかんないんです。ただ......」

「ただ......?」

「この子は、俺が触れてもキャンサー化しないって事だけはわかります」

「キャンサー化!?」

その言葉に周りにいた全ての葬儀社が静まり返る。

「言ってませんでしたっけ。俺のこの右腕に触れた生命は......キャンサー化する。これが俺の力の代償です」

「まさか、あなたの右腕にそんな力があったとは」

これが俺の抱く罪。

「王様、もう下ろしていいよ」

俺の背中にいる少女が俺の背中から降りる。

「そう言えば、君は何で俺を王様って呼ぶの?」

「君だなんてヒドイよ、王様。私には椎名紫苑(シイナ シオン)って名前があるんだよ、王様」

俺の回答は無視なのか?

「それより、こいつ運ぶの手伝ってもらえる?」

綾瀬が集の事を指、指していう。

「俺が運びますよ」

「ありがとう。あと.....訓練は20分後に始めるからね、おくれないように来なさいよ」



20分後、綾瀬の悲鳴が施設内に響き渡った。
何があったかは知らないが今は訓練に集中するだけ。

葬儀社にふさわしいかのテストが一週間後にある。それまでにいろいろとしておかないと。


「竜泉高校二年、月島(つきしま)アルゴ......名前は」

さっき、ガイに話していた金髪と黒髪が混ざった少年だ。

「桜満集です」

「茨壊です」

「知ってるよ」

アルゴは集にナイフを渡す。

「本気で殺しにかかってこい」

集は戸惑う。てか俺も戸惑う。

「これ本物ですよね?」

「ああ、だから」

集は綾瀬の方を見ているのか......綾瀬はペンを口と鼻の間に挟んで終わるのを待っている。
何をしているんだろう、綾瀬は?

「葬儀社の看板は重ぇぞ。この程度でビビんなよ。オラァァ!!」

アルゴは声をあげ、ナイフを集に向かい振り、集髪の毛がきれる。
集はふらつく。



次の訓練銃を持ったまま、野外を走る。

「「はぁはぁはぁ」」
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