第十七話
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識が高まりから資源やエネルギーの再利用技術開発が進むために、必然的に資源・エネルギー問題は解決します』
「核融合炉が最低限ですか……」
21世紀が始まった頃は核融合技術は今世紀後半に実用化段階に進むと言われていたが、そろそろ今世紀も1/3を終えようとしているが、未だに核融合技術は夢の技術のままだった。
『それに、現在【敵性体】の侵略により1万程に減らしていますが、この銀河系に存在する星間文明国家の数は最盛期の頃でさえ2万には到底及びませんでした。また多くの国家が領土とする星系の数は2-3程度。多くても2桁に達する国家は存在しません。それどころか人口減少のために植民した星系を放棄した国家も少なくありません。星間文明国家において国境同士が接するような事例は僅か数例であり、基本的に我々にとって隣国とはいさかいを起すには遠い存在なのです。もっとも国家間の紛争が完全に無いわけではありませんが、互いに大規模な兵力を集めての戦争などここ数百年は記録にありません』
「つまり、貴方が所属する連盟には地球を侵略し征服しても得るものは無いと言うわけですね」
『失礼かもしれませんがその通りです。ですがもし貴方達の種が高いパイロット適正を持つのなら、是非とも協力をお願いするかもしれません。勿論身体データのサンプリングを許可していただければですが』
「血が流れない戦争にですか?」
『いえ、基本的に血の流れない戦争です。破れれば多くの人命が失われます』
「すいません失言でした」
ケネスはエルシャンの故郷が【敵性体】に滅ぼされていた事を思い出し慌てて謝罪する。
『構いません。私もそんな風に思っていました。僅か数ヶ月前までは……ともかく【敵性体】の脅威さえなければ、連盟による調停力と最低限の軍事力。そして各国には警察機能があれば十分に平和は保てるのです』
「……少しの間、我々だけで話をさせてもらえませんか?」
そう答えるケネスの考えは決まっていた。
「みんな聞いて欲しい。私は彼の話を信じようと思う」
ウルスラグナの船内に戻るとケネスは、他の乗組員を前に話を切り出した。
「良いんですか船長?」
「ロバート。君は反対か?」
「いえ、彼の話を信じた訳ではありませんが、彼に我々を騙すメリットが無いと感じました。ですが──」
「我々の立場の問題は後回しにして、今は彼の話が信じるに値するかどうかにだけ集中しよう」
「……はい船長」
「彼や連盟が人類に害意を持っていたとするならば、我々人類にはそれをはね退ける手段は無い。そんな状況で我々を騙す事で彼が何を手に入れられるかだが、彼の言うとおり資源と言う事は無いだろうし、土地と言うのも考え難い……」
「人ってのはどうです? 奴隷にするとか?」
「社会全体の規模で考えた場合。労働力としての奴隷など役
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