第十七話
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た! だがその前に1つ確認させてくれ。エルシャン貴方の立場が知りたい」
『私の立場ですか?』
「はい。貴方がどのような立場でこの船を始めとする……そう、大型機動要塞の指揮官を務めているのか。そして我々とどのような関わり合いを持つつもりなのかです」
『もうある程度察しはついているだろうとは思いますが私は軍人です』
「やはり」
『貴方は私が軍人であり、貴方達の星が戦争に巻き込まれる事を恐れているのですね』
「その通りです」
『ですが、その心配はありません……もっとも、心配するだけ無駄なのです』
「何故ですか!」
持って回ったエルシャンの話し方にロバートは苛立ち声を荒げる。
『貴方達を含め、この銀河に生きる者達は全て、遙か昔から戦いに巻き込まれているのです。この銀河外からの侵略者。【敵性体】と呼ばれる我々炭素系生命体全ての敵との戦争にね』
そしてエルシャンは【敵性体】と連盟による500年にわたる長い戦いの歴史を語る……フルント星とその最後も。
「この銀河系でそんな昔から侵略者との戦争が行われていたなんて……」
「しかも銀河系の半分近くが既に【敵性体】の勢力下にあるのか」
エルシャンの話に納得しかける乗組員に対して、1人異を唱える者が居た。
「エルシャン。今の話が本当だという証拠はあるのですか? 先程見せられた映像等も我々を騙す程度のものは貴方には簡単に作れたはずです」
自分探しの旅から心が帰ってきたケネスである。彼にはエルシャンが嘘を吐いているとも思えないが、決断を下すには信じられる確証が欲しかった。
『確かに映像データは何の証拠にもなりませんね。リアルタイムで現実と区別の出来ないレベルの映像を作るのはマザーブレインにとっては簡単な事です』
「何か他に証拠となるものはありませんか?」
『そうですね。シルバ6のような馬鹿げた規模の機動要塞が存在する事が【敵性体】の脅威に晒されている証拠にはなりませんか? 本来このよな巨大な軍事力は必要がありません』
少し考え込んだ後エルシャンは答えた。
「何故軍事力が必要ないのですか?」
『本来、我々星間文明種族にとっては戦争をする目的が存在しません。恒星間を旅して、そこに恒久的に生活を送れる社会を構築できる技術を持つということは、資源・エネルギー問題から開放されているからです』
「資源・エネルギー問題が解決してるのですか?」
『ええ、自星系の中だけでも自由に航行できるならば余程の事が無い限り資源の入手には困る事はありません。また他星系に渡る為には最低でも核融合炉の開発が必須になります。また人口の減少が始まり、人口維持のために大規模な社会システムの再構築を行う事になりますが、それが機能するまで急速に減り続けるため資源・エネルギーの需要が落ち込みます。更に環境問題への意
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