第十八話 犬とアザラシその一
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犬とアザラシ
連合ではペットを飼うことが昔から人気である。ペットを守る法律もあり捨てたり虐待といったことに関する処罰まであったりする。それ程までにペットを大切にしているのだ。なお犬や猫を食べたりもするが。
「最近俺の妹な」
フランツがクラスメイト達に語っている。
「ああ、フローネちゃんね」
彰子がそれに応える。
「ああ、そっちの方な。最近ウォンバットとクスクス飼ってるんだ」
「へえ、面白いね」
「ああ、だが俺はな」
「クスクスとかもいいがもっとトレーニングの役に立つものを飼いたい」
「どんなの?それって」
彰子は何気なくそれに尋ねる。
「そうだな。例えばだ」
「うん」
「虎なんかがいい」
「虎?」
「そうだ、そして特訓に使う!」
彼は豪語する。
「虎よりも速く走りそしてその中から何かを掴む!そして!」
彼は叫ぶ。
「燃える!燃えてやるんだ!」
「それでどうするの?」
「極める!野球を極めてやるのだ!」
「全くこのアンポンタンは」
蝉玉はそれを聞いて呆れた顔になっていた。彰子とは反応が全く違う。
「野球に何で虎なのよ。そりゃまあタイガースってあるけれどさ」
同じ名前のプロチームが連合には無数にあったりする。
「幾ら何でも虎と一緒に練習しても何の意味もないでしょ。下手したら虎の御飯よ」
「そうだよね。やっぱり虎はね」
スターリングもそれに頷く。
「やっぱりペットはアライグマがいいんじゃないかな」
彼はそう主張してきた。
「うちのラスカルなんかは賢いしさ」
「ああ、あの子ね」
蝉玉も彼のペットのことは知っていた。
「可愛いわよね」
「そうだろ。昨日だってね」
にこやかな顔でペット自慢に入る。
「僕が御飯あげたら喜んでくれてさ。やっぱりペットっていいよね」
「そうそう。私の風太だってね」
実は蝉玉もペットを飼っていたりする。彼女のペットはレッサーパンダなのである。流石にジャイアントパンダを飼うのはアパートでは無理であった。
「最近後ろ足で立っちゃってね」
「あっ、お腹黒いんだよね」
「そうなのよ。それが凄く可愛くて」
「うんうん、そうなんだよね」
スターリングはその言葉に頷く。
「それがよくて」
「そうなのよ。それでお兄ちゃんと取り合いなのよ」
「あの兄さんと?」
「そうよ。あれでも動物好きでね」
「ふうん」
少し意外な言葉であった。あのキザにも見える人がそんなに動物好きとは思わなかったのだ。蝉玉が動物好きというのは納得出来ることであったが。
「そうだったんだ」
「そうなのよ」
「何か結構動物好きな人が多いんだね」
「そうね。あの二人だって動物好きだし」
「あの二人もなの」
蝉玉が
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