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八条学園騒動記
第十八話 犬とアザラシその一
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指差したのはテンボとジャッキーの馬鹿コンビであった。クラスでも推理研究会でも馬鹿で有名である。学校ではフランツに匹敵する馬鹿とまで言われている。要するにこのクラスは一万の中でもとりわけ目立つレベルの馬鹿を三人も擁しているのである。これもかなり凄いことであった。
「オオウミガラスのマーフィね」
「オオウミガラスなの」
 スターリングがそれを聞いて以外といったような顔をした。
「そうよ。何でもそれを飼いだしてから二人の事件解決能力が飛躍的に上昇したんですって」
「何でだろ」
「さあ。若しかしたらそのオオウミガラスが事件を解決してるかもね」
「まさか」
「けれど有り得るわよ」
 蝉玉は言う。
「ひょっとしたらね」
「そんなものかな」
「そんなものよ」
「ねえ、何の話してるの?」
 そこに一人の少年がやって来た。このクラスの一員でジョン=マッケンジーという。黒い髪と目の童顔で小柄な少年である。彼を見て蝉玉はくすりと笑った。
「真打ちその一が登場ね」
「その一!?」
 ジョンはそれを言われて首を傾げさせた。
「それってどういう意味?」
「ほら、ラッシーのことよ」
 そのジョンの愛犬である。いつも一緒にいるのだ。利口なコリーである。

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