第十七話 影の実力者その四
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「曲だっていいし歌唱力も」
「そうだけれどね」
「それでも」
「アイドル好きだったの」
「じゃあ何が好きそうだったんだ?俺は」
「柔道家とか」
「おい」
ウェンディの言葉に思わず突っ込みを入れる。
「それか悪役の女子プロレスラーとか」
「待て」
今度はルビーに突っ込みを入れる。
「何なんだ、それは」
「いや、別に」
「何かイメージで」
「俺のイメージってどんなのなんだ」
何か急に不愉快になってきた。
「いや、それは別に」
「まあねえ」
「引っ掛かるな」
皆の歯切れの悪い様子にどうにも顔を曇らせる。
「まあまあ」
「そこは抑えて」
「わかったよ」
憮然としながらもそれに応えることにした。そのうえで話を元に戻してきた。
「それでアイドルだけれどな」
「うんうん」
女の子達は何か思わせぶりな様子で彼の相手をしている。
「やっぱり女の子でも神崎亜矢ちゃん人気なのかな」
「悪くはないわよね」
「そうよね」
ルビーとダイアナが答える。
「可愛いし歌上手いしね」
「けれどね」
ここでダイアナは何かを探る目をしてきた。
「彼女、結構あれよ」
そしてこう言う。
「かなり食わせものっぽいわよ」
「食わせものって?」
「目よ」
そしてこう述べる。
「目を見てるとね。そう思えるのよ」
「目で!?」
「ええ、目。それを見ているとね」
さらに述べる。
「そんな気がするのよ。何か凄い上に上にあがろうとしてるわね」
「そうなのか?」
だがアルフレトにはそこまではわからない。むしろそれがわかるダイアナがかなりのものなのである。
「そうなのよ。まあ注意しなさい」
にこりと笑みを作って彼にも述べてきた。
「奇麗な花にはね。何かあるのよ」
「棘じゃなくて?」
「甘いわね」
今度は本気で笑ってきた。
「花にあるのは棘ばかりとは限らないわよ」
実に意味深い言葉であった。
「それだけじゃないのよ」
「他にもあるの」
「そうよ。毒だってね。食虫花だってあるし」
「何か怖い話になってきたわね」
ビアンカがそれを聞いて言う。
「女の子って皆そうなの?」
「さあ、どうかしら」
すっとクールな笑みに変わっていた。
「けれどあの目は本物ね」
また神埼亜矢について述べる。
「あの娘は。かなり手強いわよ。覚悟しておくことね」
「ううん」
それでもまだアルフレドにはわかりかねていた。
「そうなのか、何か」
「恋はね。そう簡単にはいかないもの」
またしても思わせぶりに語る。
「覚えておいて。花には何かあるのよ。それでその何かは決して見せはしないのよ」
「隠してるってわけか」
「ええ」
クラスの影のまとめ役といってもわからないことはあ
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