第4章 聖痕
第42話 蛇たちの父
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内して貰えるかな?」
そう、彼に告げながら、アマトとジジちゃんの方向に視線を向けた俺。
その瞬間! 視界の端に、翠色と、長い黒髪を収めたような気が……。
そう。あのカジノに顕われた黒髪の少女。その彼女を思わせる姿を視界の端に収めたような気がしたのですが……。
勢い込んで、再び、瞳を凝らし、更に探知の精度を上げて暗い坑道の奥を見つめる俺。
しかし、再度、瞳を凝らし、能力を使って同じ方向を見つめた時には、既に何者も存在していない、暗い闇が続いている深い坑道が続いているだけでした。
☆★☆★☆
かなりの覚悟を決めて、悪の秘密結社のアジトに乗り込んだ心算の俺達だったのですが、肝心のソルジーヴィオ商会自体はもぬけの空で、岩塩採掘用の奴隷たちが残されているだけで、商会の関係者は一人たりとも残っている事は有りませんでした。
確かに、普通に考えるならば、今夜に壊滅する事が判っている街に、儀式を行う役割を担う存在以外が居残る事はないでしょうから、これは、これで正しいのですが……。
まして、あのリード・アルベロと名乗った存在ならば、少々の地震などで生命を落とす可能性はゼロでしょうから。
それで結局、強襲は空振り。商会に買われていた奴隷たちは一時的にワラキア侯爵預かりと成って調査が行われる事と成りましたが、その辺りについては、ガリアの政治に関わる内容と成りますので、俺やタバサには関係のない事と成りました。
そうしたら次。
不死者アマトに付いては、マジャール侯爵。つまり、アリアの家の管轄下に置かれる事と成りました。
それに、おそらくですが、直ぐに解放される事と成ると思います。
何故ならば、彼が一度死亡してから蘇った存在だとしても、それを再現出来るのは、おそらくはイグだけでしょうから。
ヘビたちの父の能力として古より伝えられている能力は、死者の霊の使役や死体を操る能力。錬金術などを使用しての有毒物質の創造。そして、遺伝子操作の技術。
フランケンシュタインを作り出すには、これらの能力は必要です。但し、このハルケギニア世界の錬金術は、人工生命体。つまり、ホムンクルスなどの作製や、賢者の石などの作製を目的とした研究は為されていないので、彼をいくら調べても研究の最初に辿り着く事さえ難しいでしょうから。
まして、アマトはおそらく、フランケンシュタインの化け物では有りません。
彼は、メッセンジャーでしょう。
彼は、オシリスに因り現世に送り返されて来た存在。セトが復活する可能性が有る事を伝える為に、現世に送り返される。そして、彼が起こした事件に因って、この邪神復活を企てた連中の存在が阻止された。
これは、世界の防衛機構が正常に作用した結果の典型的な例です。
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