第4章 聖痕
第42話 蛇たちの父
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言って直ぐにどうなるかと言うと、俺には想像も付きません。しかし、アイツも太陽神に恨みを持つ存在で有る以上、どう考えてもロクな結果には成らないとは思います。
蛇神で、太陽と敵対している邪神。何処かで聞いた事が有る組み合わせですが……。
但し、例えイグの血液を浴びたとしても、俺やタバサの戦闘時のスピードから考えると、多くの量を浴びるとは思えなかったですし、血液による物理的な攻撃で有る以上、物理反射は有効。
故に、今回はタバサに多少の害が有ったとしても、彼女の生命に大きな害はないと判断したのです。
「そうですか」
何故か、少しため息を吐くかのような雰囲気で、アリアはそう答えた。
そうして、更に続けて、
「すみませんでした。シノブの判断は正しい。確かに、彼女も今はガリアの騎士で有る以上、無辜の民を護るべき立場に有る事を失念して居ました」
……と、そう言ったのでした。
確かに、今のアリアの言葉は騎士の言葉としては正しい。しかし、もし、もっと悪い状況が予測出来たなら。何が起きるか想像も付かないような状況で、この街全体の命運とタバサの生命を天秤に掛けるような状況に追い込まれたとしたら、おそらく俺は、彼女を巻き込みはしなかったと思います。
そこまで考えた後、俺はアリアから、タバサに視線を移した。
俺をこの世界に召喚して仕舞った少女。奇妙な同居生活から、戦闘時のパートナー。異性として大切な相手かどうかは判らないけど、少なくとも、現在の家族では有る少女。
あの、四年前の事件。地脈の龍事件と呼ばれた事件で、家族すべてを失った俺に取っては、向こうの世界に残して来た師匠と同じ存在。
晴れ渡った冬の氷空を思わせる瞳が俺を映し、普段通り、内面を見せる事のない表情で俺を見つめる彼女。
俺は、ゆっくりと二度、首を横に振った。
今回の作戦でさえ、かなりの覚悟が必要な人間に、彼女の生命と、この街すべての命運などを天秤に掛けられる訳はない。
おそらく、もっと別の方法。かなりリスクを伴いますが、神話を辿るような方法ではなく、セトの加護を得た場所で、セトの神官たるリードを相手にすると言う、相手の土俵の上で相撲を取るような戦いを行ったとは思います。
最後の瞬間にタバサだけでも逃がす方法を考えた上で……。
まして、今回の事件は未だ終わった訳では有りませんから。
少し、時計を見て時間を確認する俺。
……大丈夫。夜半にまで、後四時間以上有りますか。クトーニアンに対する接触を為せるのが、先ほどのリードだけならば問題は有りませんが、他にも存在して居た場合、この事件は終わっていない事と成りますから。
「そうしたら、アマト。そのソルジーヴィオ商会と言う場所に案
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