第4章 聖痕
第42話 蛇たちの父
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段から繰り出される気の奔流に因って放たれる一閃に因り、ヘビたちの父を護りし精霊の護りが、地との境界から斬り上げられる事により完全に無効化!
大きく掲げられし二振りの宝刀。その輝きは、蒼白き輝きを放ちしアリアと、黒曜石の煌めきの色彩に包まれしタバサ。
八相に構えられしアリアの一刀は、彼女に相応しい輝きと、風及び水の精霊力と共に元リードの左鎖骨の辺りに打撃を与える。
その刹那、元リードの表面を覆う鱗が明滅を繰り返し、強力な白き光りを放つ鱗へと変貌した。
しかし!
そう、しかし! その鱗が変貌した瞬間、大きく上段に掲げられしタバサの放った一刀が、黒曜石の輝きと共に、元リードの右頸部より侵入、宝刀が過ぎ去った一瞬後に赤き生命の源を撒き散らせながら、そのまま左腰まで振り抜く!
タバサの一刀が纏いし精霊は水。しかし、七星の宝刀に力を与えたのは、何の属性も得ていない純然たる力。無属性、万能属性と呼ばれる何者にも縛られる事のない力。
そして、二人がリードの左と右を走り抜け、俺の左右に並んで振り返った時……。
その時が、リード・アルベロと名乗った存在が、ゆっくりと地に倒れ伏した瞬間で有った。
☆★☆★☆
「シノブ。結局、あの、リード・アルベロと名乗った存在は、何者だったのです?」
治癒魔法を使用して、タバサの治癒を行っていた俺に対して、アリアがそう問い掛けて来る。
元リード・アルベロの死体を、サラマンダーの神火により浄化した後の事。
「蛇を操り、人への強い憎悪。そして、その強固な鱗などから、人類が栄える以前に栄えていた蛇人間。イグと呼ばれる存在だと思う」
但し、俺も今までに出会った事が無い相手ですので、確実な情報と言う訳では無いのですが。まして、このハルケギニア世界の過去にそんな蛇人間が住んで居たかどうかも定かでは有りません。
ただ、それでも、最後に致命傷を負った際に発したヤツの体液を浴びたタバサに、少しの火傷に似た症状が起きた事からも、その仮説で正しいと思います。
イグの血液には、物を崩壊させる毒が含まれている、と言う記述も有りましたから。
アリアの質問に対して、俺は知識でしか知らなかった魔物の名前を答えた。
その答えを聞いた瞬間、アリアから怒りに近い気が発せられた。そして、
「それでは、貴方は、あの血液に毒が含まれている事が判った上で、彼女に、止めを刺す役割を与えたと言うのですか!」
……と、かなり強い調子。所謂、詰問口調で問い掛けて来た。
そして、彼女の怒りは正当だと思います。俺に絶対の能力が有ったなら。……俺が、神話上に語られる英雄や、ヒーローだったなら、こんな姑息な手段以外の方法で決着を着けていますから。
俺は
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