第4章 聖痕
第42話 蛇たちの父
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を与える事が可能だと思いますから。
但し、その際にも、多少の問題が残るのですが……。
俺は、更にタバサをやや強い視線で見つめながら更に続けて、
【絶対に、とは言わない。せやけど、出来るだけヤツの返り血を浴びないようにして欲しい】
……と依頼した。普段よりも少し。いや、かなり強い雰囲気を纏った口調で。
もし俺の予想が外れて居て、タバサに想像以上の害が有った場合は……。
いや。仮定の話は無意味。まして、イグの血液に含まれる毒に、神話的な、魔法的な部分は存在していなかったと思う。通常の科学的な物質で有る可能性が高い以上、俺に刻まれている聖痕のような状況に成る可能性は低いはず。
タバサがコクリとひとつ首肯いた。彼女の方に迷いはない。
刹那、無数の風の刃が、一直線に道を切り開いた瞬間、風の結界から走り出す、俺達三人。
彼我の距離、約十メートル。精霊の加護により加速された俺達三人に取っては、ほぼ一瞬で詰められる距離。
その一瞬の後、残った蛇たちに因る攻撃が開始される!
そう。ヤツラも尋常な存在ではない。本来は、幻想世界に存在する蛇たち。走り出した俺達に目がけて数々の蛇が跳び、それ以外の蛇が毒液を吐きかけて来たのだ。
もし、その内の一匹でも、真面に牙を立て、その毒液を真面に浴びたとすれば、その瞬間に死亡する猛毒を持つモノも存在する。
しかし、その蛇たちの大半をハルファスの魔風に遅れる事半瞬の後に放たれた、ノームの発した無数の石嵐により、無効化!
そして、その石嵐を掻い潜った後に俺達に襲い掛かろうとした残った蛇も、俺とアリアの鞘から抜き放たれた銀光の一閃により、すべて冥府へと誘われて仕舞う!
目指す目標。個々の蛇が集まり、かたまり、そして、うねるかのように造り上げられていた巨大な蛇の姿は、ハルファスの魔風にてその半数が。そして、続くノームの石嵐によって残りの大半が排除され、残るは、リードと、それに纏わり付く、少数の蛇たちと成り果てていた。
いや。その姿を人間と呼ぶのは、人に対する冒涜で有り、そして、彼に対する侮辱で有ろう。蛇のような頭部を持つ、二メートルを超える体躯を持つ二足歩行のヒト型生物。そう表現するのが、もっとも相応しい忌まわしき存在へと変わっていた。
そして、その鱗が、まるで透き通るかのように変色して行く。
そう。あれほどの魔法を受けながらも、リード自身は、まったくの無傷。これは、彼自身を護る絶対の精霊の護りと、おそらくは、ヘビたちの父の生来の能力。
次の刹那、正面から相対した俺に対して、無造作に伸ばして来る右腕を軽く上体を躱し、地摺り八相の構えから、剣先を跳ね上げるようにして斬り裂く!
切っ先方向に重心を持つ日本刀の破壊力と、下
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