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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第42話 蛇たちの父
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の世界に召喚されて、……いや、出会ってから一度も変わる事のない視線で俺を見つめる蒼き少女。そして、彼女に相応しい仕草で少し首肯いて答えた。

 俺の視線だけで、彼女が俺の意図に気付いた。いや、そんな事はないとは思う。しかし、彼女の仕草により俺の覚悟は完了して居ました。

 戦闘時の俺や彼女のスピードなら、浴びる返り血は殆んどないはず。まして、治療が早ければ、彼女に傷痕が残る事もない。

 更に、ヤツの正体がヘビたちの父で、アマトや、最初のミイラに関係が有って、月と関係が深いスヴェルの夜に起きる事件ならば、最後の最期の場面では、タバサの手に因ってケリを着けなければ、この事件(神話)は完結しない。
 女神イシスと同じ、月神としての側面を持っている、かの女神の加護を受けし彼女でなければ。

 自らに物理反射の呪符を施しながらタバサに、起動させたままに成っていた如意宝珠製の七星の宝刀を渡す。
 まったく動じる事もなく、俺の差し出した宝刀を受け取るタバサ。

「ハルファス。俺用の日本刀の用意を頼む。銘は何でも良い。一太刀や二太刀でダメに成らない程度の業物を」

 俺の顔を見つめた後、無言で首肯くハルファス。そして、次の瞬間、彼女の手の中に現れていた一振りの日本刀に自らの風を纏わせ、俺の方に向かって投げて寄越した。

 黒い鞘に収められた刀身、大体、八十センチメートル足らず。重からず、軽からず。但し、やや先端の方に重心が有るように感じる。
 これは俺の戦い方。抜き打ちの際に遠心力が働く事に因って、威力が増す事も考慮されている、と言う事なのでしょう。手元から先端まで共に広く、重ねは厚め。緩やかな反りが付き、室町末期の剛刀と言う趣の日本刀で有る。

 良し。見栄えよりも、実用本位の日本刀で有るのは間違いない。ならば、

「ハルファス、ノーム。魔法により、周囲の蛇の一掃を頼む」
【タバサは、イグに気付かれぬように、七星の宝刀に霊活符を施して使用してくれ】

 自らの式神たちに実際の言葉にしての指示を。そして、タバサには【指向性の念話】による依頼を行う俺。
 今までの戦闘時の例から推測すると、ヤツの鱗の能力は、おそらく、攻撃に対応した属性に変化する事に因って攻撃を無効化していると俺は推測しています。ならば、同時に二属性以上。更に、その属性も、本来のタバサの属性とは違う万能属性に因る攻撃を加えた場合、ヤツに傷を負わせる事は可能でしょう。

 そして、霊活符と言うのは、付加された武器の属性を本来の属性から、全て万能属性の攻撃へと変化させる呪符。この呪符を付加されて、アリアの聖、もしくは木行の属性による攻撃と同時。もしくは、タバサの方が一瞬、遅れて攻撃する事が可能なら、通常の生命体に等しい肉体を持つ生命体を相手にする時と同じ効果
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