§25 とある富豪な魔王陛下
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ばなんとかなりそうな気もするのだけれど。護堂も隠遁生活を送る気なのだろうか?
「ハーレム建設を試みるわ物をド派手にぶち壊すわで隠す気ゼロだとばっかり思ってたわ」
巫女。護堂の口からこの単語が出てくる時点でロクな運命にならない気がするが乗りかかった船だ。とりあえず明日にでも様子見に出かけてみよう。
そんなことがあったのが昨日の話。
「すみませーん、護堂いますー?」
エルと恵那を連れて草薙家を訪れたのは、もうすぐお昼という頃合いだった。もしかしたら昼食の邪魔かもしれない、と後悔する。時計を見てから家を出てくればよかった。そもそも時計は電池切れで動いていないけれど。いつも携帯電話で時間を確認していたツケが回ってきたか。携帯が電池切れを引き起こすだけでこんなことになるなんて。
「あ、黎斗さんこんにちは。お兄ちゃんですか? つい先程一人で出かけましたけど……」
「なんてこったい…… ありがと」
静花にお礼を言って来た道を戻る。行き先を聞こうかとも思ったのだが、どうせ明日にでも学校で会うのだ。帰りに恵那と引き合わせれば問題ないだろう。問題は午後が暇になったことだ。せっかく外に出たのに、もう住処に帰るのはなんだか勿体ない。恵那とエルを引き連れて、たまには何処かへ行ってみるのも悪くない。恵那は元々謹慎の身だから黎斗と一緒でもない限り外出は許されないだろうし。一緒でも外出は許されないと反論されそうだが監督する義務があるのだ、多分。とりあえず通りの方へ行けば色々な店があることだし、そこで昼ご飯でも食べながら相談してみよう。
「んと、スサノオと夜なべした呪符は確か財布の中に……」
樋口さんの台頭により今や見かけることすらも希少となった新渡戸さんを数枚取り出す。ついでに厚紙ほどの厚さとなった紫式部と福沢さんを恵那に持ってもらい、財布の中を捜索する。十数人目の夏目さんの間にお目当ての呪符は挟まっていた。ここまでやっていて時間がかかり過ぎと実感する。今度から入れる場所を変えようと心に決めた。
「ほい、エル。人化して。基本的に動物は飲食店進入禁止だから」
「れーとさん、どっか行くの?」
「うん。せっかくだし三人で適当にぶらつこうかと。どうせ帰ってもレベル上げ作業するだけだし」
三馬鹿とつるむ案も一応あるが、せっかくならこの二人と過ごしたい。こちとら健全な男子高校性なのだ。一日くらい美少女と遊んでもバチは当たらないだろう。自宅で延々ゲームをするのは色々終わっている気もするし。
「マスターにしては珍しく気が利きますね。行きましょう」
涼しげな声音に振り向けば、そこには人化したエルの姿。どことなく嬉しそうな表情なのは、久々に飲食店の料理が食べられるからか。認識阻害の呪を一応仕掛
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