§24 黎斗と護堂と須佐之男命と
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る。
「……悪趣味ですよ」
「ははっ。ハイハイ」
見ているとどこか和むキツネを背後に、護堂は黎斗の部屋へと進み???勉強机が最初に目に入った???絶句する。
「嘘、だろ……」
左側の棚。ラノベがぎっしり詰まっている。取り出すのも一苦労しそうな程に。何十冊あるのか数えたくもない。縦横斜め。一見、無造作にしまいこまれているように見えるがよく見ると絶妙なバランスの上になりたっていることがわかるだろう。なんというか、才能の無駄遣いだ。感心してしまいつい、これだけ趣味丸出しで恵那はドン引きしないのだろうかなどとくだらないことを考えてしまう。
右側の棚。こちらは細かい。下段にはゲーム機がコンパクトに、中段にはゲームソフトがびっしりと、上段にはマンガが一部の隙もないほど収納されている。棚の上に申し訳程度に教科書が置かれているが、ノートの類は床に放置されている。開かれたページにはミミズの這ったような文字が並んでいて解読不能。きっと距離が遠いからみれないだけなのだ、そうに違いないと必死に自分を信じ込ませる。
「これはひどい」
荒廃した大地の如く。そんな表現が似合う黎斗の机の反対側には押入れが開けっ放しで放置されている。その奥の方には綺麗に畳まれた布団が見え、タオルがぎっしり詰まっていると思われるバスケットがその前方に鎮座していた。部屋の左と右での対比が、ひどい。
そして、視線を部屋の正面に戻す。最奥に放置されている一つの布団。素足が上がったり下がったりぶらぶらしている。その度に上に吊るされた洗濯物と思しきタオルがゆらゆら揺れた。危ないな、と思ってみていたのもつかのま、足が洗濯していたタオル類にクリティカルヒット、雪崩の如く落ちてくる。
「んー!!?」
声にならない悲鳴と共に、足の持ち主はタオルの山に埋まっていった。
「……黎斗?」
なんていうか、最悪だ。こんなのが自分の先輩だと認めたくなかった。間違いない、コイツもベクトルは(大幅に違えど)ダメ人間だ。カンピオーネは変人ばかり、改めて認識した護堂は肩を落とした。
「ぷはっ。ご、護堂!? あー、来るの忘れてた!!」
もっとも黎斗と一緒にしたら他の同類に失礼だな、と思ったのだがそれを知るのは思った当人以外に居るはずもない。他の同朋とは別の意味でぶっ飛び過ぎだ。
「あおっ、今日はごどーくるんだっけ!?」
「……なるほど。今日はオレが来ることを忘れてひたすらオンライン対戦をやっていたと」
半眼で睨む護堂に黎斗は「あはは」と誤魔化しの笑みを浮かべる。エルは「いい薬です」と素知らぬふり。まったく、いい性格をしている。
「とりあえず、以下はオフレコで。僕は多分現存する中
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