第十六話 物持ちはいいけれどその五
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「あんた今何て言ったんだい?」
「これの使い方知らないの?」
「嘘でしょ、それって」
「いや、本当に」
ジミーは答える。
「その、あれの時に使うのは知ってるよ」
それを言うと顔が少し赤くなった。
「けれどさ。細かい使い方は」
「そ、それはね」
「ちょっとね」
ロザリーとジュディはその言葉に彼女達も顔を赤らめさせて互いに見合わせた。実は二人も細かい使い方は知らないのである。
「知らないの?」
「だ、だから」
「それは」
「実は私も」
アンジェレッタはあっけらかんとして述べた。
「知らないんだけれど」
「何だ、三人共知らないのか」
ジミーはそれを聞いて少し残念そうであった。
「そりゃあさ」
ロザリーはバツの悪そうな顔を作ってきた。
「だってねえ」
「私達まだ高校生だしさ」
ジュディも言う。
「知ってる子は知ってると思うよ。けど」
アンジェレッタも同じであった。実は三人はまだそこまでいっていないのである。
「けれどあんただってそうだろ」
ロザリーは質問をジミーに返した。
「そんなこと言うんだからな」
「悪いかよ」
ジミーも渋々それを認めた。
「俺だってそんなの知らねえよ」
「そうよね」
「逆に知ってたら怖いわよ」
「そう思わない?」
「って言いながらどうしてこっち見るのよ」
ダイアナが四人の視線に気付いた。
「だってダイアナと」
「あとフックは」
「俺もかよ」
フックにまで視線は向けられていた。ダイアナもフックも苦い顔をしている。
「知ってるわよね」
「知ってると思ってるの?」
「うん」
「違うの?」
「残念でした」
だがダイアナの返事は意外なものであった。
「知らないわよ。それで勿論」
処女だというのである。非常に意外であった。
「嘘・・・・・・」
「本当よ」
ダイアナは少しムキになっていた。
「キスまでよ。知ってるのは」
「俺それも知らない」
意外ともてないフックであった。プレイボーイだからといって経験があったり豊富であるとは限らないようである。そういうものなのかも知れない。
「キスの味ってどんなのか。知りたいんだけれどね」
「何とまあ」
「あんた達も知らないなんて」
「そういうことよ。これでも遊ぶ相手は選んでるんだから」
「俺は誰でもいいけれどね」
「ふうん」
「ところでよ」
ふとジミーが言った。
「ダイアナ、御前今キスはしたって言ったよな」
「あっ」
それを言われて自分でも気付く。
「し、しまった」
ギクリとした顔で目を驚かせていた。何か目の中に大きな星が見える。
「キスはあるんだよな」
「言われてみれば」
「そうよね」
ジュディとアンジェレッタもそれに気付く。
「相手誰
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ