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八条学園騒動記
第十六話 物持ちはいいけれどその三
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みにスターリングの祖父が宇宙艦隊司令長官である。これがエウロパなら大きな話になるが軍人の地位がそれ程高くない連合軍ではさして話にはならない。
「そういうのは知らないのよ」
「拳法とかお料理は得意なのに?」
「うん」
「それにそっちのお料理って確か」
 アンジェレッタの言葉は続く。
「あれでしょ?医食同源だって」
「言うけれどそんなには詳しくないわよ」
「あら」
「あんたみたいに詳しくはないわよ。やっぱり得手不得手もあるし」
「そうなんだ」
「そうよ。悪いけれどね」
「謝る必要はないけれどね」
「まあとにかくだ」
 ロザリーが話を進めてきた。
「何かあんたの家も結構な物持ちなんだな」
「他にもあったりするけれどね」
 ジュディは今度はロザリーに答えた。
「タレントの生写真もあるし」
「へえ、そんなのもあるのか」
「神崎亜矢とかね。うちの理事長のもあったりするけれど」
「ああ、理事長のも」
「あれで人気あるから」
「確かにな」
「男前だものね、うちの理事長」
 ロザリーもアンジェレッタも彼の話は結構進む。八条は女子高生からも好かれる顔立ちなのである。長身でスラリとしたスタイルも評判である。
「ホモだって噂もあるけれどな」
「あれって噂じゃないの?」
「さてな。けれど変な話一つないってのはかえって不自然だろ」
「まあね」
「だから余計にな。引っ掛かるんだよ」
 ロザリーは言う。
「そこんところがな」
「意外と誰かの足長おじさんになっていたりしてね」
 ジュディが笑いながら冗談を述べた。
「そうだったら面白いね」
「何かありそうねないね、そんな話」
「千年前ならまだありそうだったけれどね」
「全く」
「あれっ、これって」
 ここでもう一人来た。
「おう、あんたもか」
「ああ、何か気になってな」
 次に来たのはジミー=ゴンザレスであった。ジャマイカ出身で銀髪が奇麗な黒人の少年である。愛嬌のある顔をしている。黒い目も印象的だ。黄色と赤の明るい服を着ている。

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