買い物と壁男
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
……」
「看護のお礼だと思って、今日、明日は俺に奢らせてくれ。そうでなくても、女性に払わせるようなことはできないしな」
「……ありがとう」
赤面……可愛いな……軽く変態になってないか、俺?
「次はどこに行きたい?どこでもいいぞ?」
しばらく、考え込む詩乃。やがてニヤニヤしながら口を開いた
「じゃあ、ラン……」
「却下」
「……どこでもいいって言ったじゃん」
ニ文字目で内容を察し、却下する。わかるだろ?男子諸君。ラブコメで有りがちなあそこだよ
「あそこは男は入れない場所だ」
「……じゃあ、喫茶店でも」
「了解。ならいい場所がある」
ちょっとむくれている詩乃を馴染みの喫茶店に連れて行った
以前小さい時、両親に反抗して家を飛び出したとき偶然見つけた喫茶店に入る。もちろん、その家出のときは入らなかった。中学生になってから、改めて行ってそれから常連になっただけである。カランカランと扉に付けられた鐘が鳴る
「いらっしゃい」
……あれ?マスターが変わってるし、見間違いかな……エギルがいるように見えるんだが……というわけで一旦外に出る
「どうしたの?」
「知り合いがいたような気がしたんだが……」
「常連ならマスターとは知り合いなんじゃないの?」
「いや……マスターが変わってた。のにも関わらず……」
言い掛けたその時、扉が開いた
「よう、リン。久しぶりだなぁ」
ハゲの頭。巨大な体躯。SAO内となんら変わらないその顔は間違いなくエギルだった
「よう、エギル。久しぶりだな」
……笑顔でこたえる俺
「笑顔、引きつってるぞ」
「当たり前だろ?いきなり会いたくないやつに会ったんだから」
「……相変わらずだな、リン……」
ちょっと肩を落とすエギル
「えっと、この人は?燐」
詩乃が訊ねてくるが……顔が引きつってるぞ詩乃
「……The 壁」
「おいおい、俺は壁かよ!?俺にはアンドリュー・ギルバート・ミルズって言うママにもらった名前が……」
「それは、俺に言うなよ……」
「おっと、そうだった。アンドリュー・ギルバート・ミルズです。以後お見知りおきを」
「そういえば、俺も名乗ってなかったな……鈴木 燐だ。はじめまして、エギル。んで、こっちは朝田 詩乃だ」
「朝田 詩乃です。よろしくお願いします」
はじめましてって何か変だな……リアルで会うのは初めてだからあながち間違いではないが
「燐よ……彼女はコレか?」
エギルは俺の肩に腕を回すと反対側の手の小指を上げて聞いてきた
「友達以上、彼女未満ってところかな……」
「お
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ