第4章 聖痕
第41話 フランケンシュタインの化け物
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存在する事はなく、造物主の命令のままに俺を襲い、人を殺して、彼らの仲間を作る材料を集めていたのですから。
生命の水。生きたヒトの血より造られし、彼ら……フランケンシュタインの化け物を動かし、擬似的な生命活動を行わせるのに必要な錬金術の奥義を極めし物質の原材料を。
「このタイミングで最悪のふたりを送り込んで来るとは、ガリアの王女も食えない相手だったと言う事か」
独り言を呟くように、そう言った少年。そして、
「それならば、先ずは自己紹介からだな。俺は、ソルジーヴィオ商会のリード・アルベロと言うモンだ」
……と、俺達に対して告げる。
しかし、その一瞬の後、リード・アルベロと名乗った少年が不死者アマトを、その蛇にも似た瞳で見つめながら、
「いや。そこの大男の関係者と言った方が判り易いか」
……と、そう言い直した。
成るほど。おそらく、ヤツは属性として蛇を持っている可能性が高いな。何故ならば、最初のミイラ。オシリスと強く敵対していたのは、セト。暗黒の邪神で有り、蛇神でも有る。
もし、アマトが神話と関係が有る存在ならば、この目の前のリード・アルベロと名乗った少年はセトの神官の可能性が大。
そして、セトの神官ならば、ヤツが発している俺達に対する憎悪と表現すべき陰の気は、理解し易い。
その理由は、嘗てはセトと言う蛇神は邪神などではなく、勇壮な大地の神として崇められた存在だった。しかし、エジプトが統一されると同時に地上を追放され、貶められたのが現在の邪神セト。自らを貶めた地上の人間を憎悪していたとしても不思議では有りません。
この憎悪を放つ存在が、俺達を無事に脱出させてくれるとは考えられないか。
俺は、そのリード・アルベロと名乗った少年と、彼の両翼に控える不死者たちを瞳に映しながら、そう考える。
リード自身の能力は不明。セトの神官と言う存在を聞いた事は有りますが、その詳しい能力は流石に知りませんから。
不死者たちは、その怪力と不死身に近い回復力が武器。更に、ヤツラは恐怖心と言う物は持ち合わせてはいない。
そして、俺が知って居る不死者たちを倒すには、一度に大量の生命の水。人間で言うのなら血液を奪い去るしか方法が有りませんでした。
但し、分厚い、装甲に等しい筋肉を断ち斬る必要が有り、傷つけた一瞬後には、治癒を開始する超絶の回復力を上回るダメージを与える必要が有るのですが。
対して、現状ではアリアとタバサには魔法反射と物理反射は、ここに来る前に施して有ります。更に、大地の精霊ノームは現界させたままなので、ジジちゃんとアマトの護衛に着かせたら、この二人に関しては、当座は問題ないでしょう。後は、ハルファスを現界させて結界を施して置けば、魔法に対する防御も問題無くなり
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