別世界よりI
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<グランバニア>
リュカの娘の1人…フレイの涙ながらの抗議の声。
本人の意志を無視した異世界召還事件の張本人、プサンは両手を胸の前で激しく振って言い訳を始めるのだ。
「リュ、リュカを無理矢理異世界へ送った事は、私の罪として認めますが…ティミーさんを始め、ビアンカさんやマリーさんをあちらの世界へ送ったのは、私の所為ではありません!本来、異世界への扉は簡単に開くものではないんです。皆さんに扉を開ける事が出来るとは思ってなかったんですよ!」
一生懸命言い訳をするプサン…
しかしその内容を聞き、酷く落ち込むリュリュとマーサ。
「おい、クソヒゲメガネ!お前ふざけるなよ…今の言い方じゃまるでリュリュとマーサお祖母様が、余計な事をした所為みたいに聞こえるじゃないか!」
皆が押し黙る中、1人憤慨するのはポピー。
「そ、そう言う他意はありませんが、事実としてはそうなります…」
プサンとしては他人を責めるつもりはないのだが、売り言葉に買い言葉的な流れで、思わず2人に罪を被せてしまっている。
「いいや違うね!みんなお前の所為だ…お前と、向こうの世界の神…ルビスとか言うバカ女の所為だ!」
「な、何故そうなるのですか!?」
「お前等神々が私達人間を侮り、私達家族の絆を見くびった所為で、今に至るこの状況になってしまったんだ!」
「に、人間を侮る?………家族の絆!?」
「そうよ…私達の誰もが、お父さんの身を心配し助けようと努力する。そしてその方法は多種多様に渡り、各々の持てる力を全て出し尽くす事になる。その結果がパルプンテよ…何が起こるか分からないけど、もしかしたら良い結果が起こるかもしれないとの思いで、お父さん救出に望みをかける!」
「し、しかし…向こうの世界を平和にすれば、リュカは戻ってくるとは思わなかったのですか?こちらの世界が危険になるかもしれない魔法を持ち要らなくても、時間が経てばリュカは戻ってくるとは!?」
ポピーの怒りの篭もった説明に、後には退けなくなったプサンが抗議する。
「それは考えました…しかし向こうの大魔王とて大人しくは倒されてくれないでしょう。我々はリュカに全幅の信頼を置いてますが、万能ではない事も事実…家族としては心配になってしまいますよ」
今まで黙って話を聞いていたオジロンが、プサンに対し初めて口を開いた。
「それに前もって説明してくれても良かったのではないですか?『異世界が滅びの危機に直面している。赴いて平和を取り戻してほしい』と、先に言って頂いても………」
「オジロン…それは無理な注文よ。相手は私のお父さんなのよ…前もって異世界への冒険をお願いしたって『ふざけんなバカ!何で僕がそんな危険な事をしなければならないんだ!?』って拒否するわ…その後で強引に異世界へ行かせても、
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