別世界よりI
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
サボタージュを決め込まないとも限らないし…」
流石はポピー…父親の事を良く理解している。
「そ、そうなんですよポピー…ありがとう、私の苦労も分かってくれ「黙れバカクソヒゲメガネ!」
段々プサンの愛称が酷くなる…
「確かにお父さんの性格を考慮に入れれば、黙って勝手に異世界へ追いやる事も止む無しと理解しましょうけど、その後で私達家族に対して詫びと説明があっても然るべきではないのかしら?」
一瞬味方になったと思ったポピーから、強烈な一撃を受け言葉を失うプサン。
「さっきも言ったけど、今回の一連の事件は全部お前等神々の驕りから端を発した出来事なのよ!」
「う………た、確かに…私は人間を侮っていたのかも………」
ガックリと項垂れて、弱々しく呟くプサン…
そんなプサンに可愛らしい笑顔で近付き、優しい声で話しかけるポピー。
彼女の事をよく知る皆は、この時プサンの運命を哀れんだという…
「いいのよプサン…過ちは後日償えば済む事なの…だから天空人の技術を提供してちょうだい? な〜に簡単よ…蒸気機関に代わる、小型化可能な動力源だけでいいの。それでこれまでの事はチャラにしてあげるから」
「そ、それとこれとでは話が違うでしょう!」
「おい良く考えろよクソバカヒゲ駄メガネ!私のお父さんが、一連の原因に気付かないとでも思ってるのか!?とっくの昔に感付いて、帰ってきたら無理難題を要求しようと画策しているはずよ!『天空城よこせ!』とか、そんなん平気で言ってくる相手だというのを忘れないでほしいわ…」
プサンの顔から血の気が引く…
そして対照的に満面の笑みなのは、最恐の美女ポピー。
「動力機関の技術提供だけで今回の事件をチャラにしてあげるって言ってるの…悪くない取引だと思いますけど…お父さんが帰ってくるのを待ちましょうか?」
「本当に…技術提供をすれば…それ以上は………」
満面の笑みの美女に肩を大きく抱かれ、項垂れ呟く姿はお世辞にも神とは呼べない…
冴えない中年男が、ギャンブルや女性問題で首が回らなくなり、生命保険に加入させられそうになっている様な姿…
それがこの世界で最も借りを作ってはいけない一族に、借りを作ってしまった神の姿だ!
「わ、分かりました…しかし、もう一つ約束してほしい事が…」
完全に負けを覚悟したプサン…それでも最後の力を振り絞り、神として条件を提示しようと試みる。
「分かってるわ…軍事利用を規制させたいのでしょ?」
「そ、そこまで考えてありましたか…聡い人だとは思ってましたが…ここまでとは…」
最早抗う力を全て奪われたプサン…
「ふふふ…私だって戦争に神様の力を使うなんて反対よ。でも、今を生きている私達には約束できても、未来を作るまだ生まれぬ子孫の事は約束できません!」
「そ、それでは技術提供は出来
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ