第46話
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「だって・・・・」
「良いから早く伏せろ!!」
「え?」
上条の叫び声に風斬がきょとんとした顔をした直後、ゴン!!と彼女の顔が大きく後ろへ跳ねた。
「あ?」
上条は思わず間の抜けた声をあげていた。
エリスの身体に当たって跳ね返ったライフル弾の一発が風斬の顔面に直撃したのだ。
いつの間にか銃声が止んでいて警備員は呆然とした様子で撃ち抜かれた少女を見ていて、愛穂は信じられないような表情を浮かべている。
シェリーは己のターゲットが突然目の前にやってきて、思わぬ形で自滅した急な展開に若干ながら眉をひそめていた。
風斬は大きくブリッジを描くように後方へ仰け反りそのまま何の抵抗もなく人形のように倒れ込んだ。
麻生は盾を乱暴に放り投げると風斬の所まで走る。
「風斬!!」
上条も慌てて立ち上がり風斬の側まで駆け寄った時、二人の足がビクンと止まった。
二人の顔が驚愕の一色で塗り潰されている。
風斬の傷は確かにひどかった、頭の右半分が根こそぎ吹き飛ばれているが二人が驚いているのはその傷を見て驚いている訳ではない。
頭の半分を吹き飛ばすほどの傷なのだがその中身はただの空洞だった。
肉も骨も脳髄も何もない、加えて風斬の傷口から一滴の血も流れていなかった。
そして空洞となっている頭部の中心点に磁石でも使ったような小さな物体が浮かんでいた。
それは肌色の三角柱で底は一辺が二センチ弱の正三角形で、高さは五センチ弱、その場に固定されたままひとりでにくるくると回転する小さな三角柱の側面には縦一ミリ横二ミリの長方形の物体がびっしりと収められている。
(これはあの時の・・・・)
麻生はこの三角柱に見覚えがあった。
それはおよそ二カ月前に幻想御手事件で生み出された幻想猛獣の死の点を撃ち抜いた時に、一瞬だけ見えた物とよく似ていた。
(あの時出てきた三角柱はボロボロの状態だった。
だが、風斬のそれは完全な状態で出来ている。)
麻生が考えにふけっていると片目しかない風斬の目がぼんやりと開かれる。
彼女はゆっくりとした動作で上体だけ地面から起こした。
「あ・・れ?・・・・眼鏡はどこ、です・・・か?」
自分がメガネをかけていた辺りを指で触れようとして何かに気づいた。
一度、手を引っ込めると今度は恐る恐る自分の顔に指を近づけてその空洞の縁をゆっくりなぞる。
「な、に・・・これ・・・い、や・・・」
彼女の眼がすぐ側にある喫茶店のウィンドウを捉えていた。
そして自分の顔に気づきその顔から血の気が引いていく。
「いや・・ァ!な、に・・・これ!?」
風斬は髪を振り乱して思い切り叫ぶとガラスに映る自分の姿から逃げるように走り
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