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とある星の力を使いし者
第45話
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キル》達が床に倒れている。
まだ息があるのか細かく震えるように手足が動いていた。

「くふ、存外、衝撃吸収率の高い装備で固めているのね。
 まさかエリスの直撃を受けて生き延びるだなんて。
 まぁ、おかげでこっちは存分に楽しめたけどよ。」

笑みの端が残虐な色を帯びる。
エリスの直撃、というフレーズの意味が分からなかったが周りの状況を見ればどんなことをしたか想像がつく。

「どうして・・・」

そんな事が出来るんだ、と上条は絶句した。
対して、金髪の女は特に感概も持たずに言う。

「おや、お前は幻想殺し(イマジンブレイカー)か。
 虚数学区の鍵は一緒ではないのね、あの・・・・何だったかしら?
 かぜ、いや、かざ・・・何とかってヤツ。
 くそ、ジャパニーズの名前は複雑すぎるぞ。」

女は面倒臭そうに金髪をいじりながら言葉を続ける。

「別に何でも良いのよ、何でも。
 ぶち殺すのはあのガキである必要なんざねぇし。」

「何だと?」

その言葉に上条は思わず耳を疑った。
この女は自分や風斬を狙っているらしい事は何となく察しはついたが、この投げやりな調子は何なのだろうか。
女は上条が自分の言葉の意味を分かっていないのか笑みを浮かべながら言う。

「そのまんまの意味よ。
 つ・ま・り、別にテメェを殺したって問題ねぇワケ、だっ!!」

女が思い切りオイルパステルを横一閃に振り回す。
その動きに連動するように、石像が大きく地を踏みしめるとガゴン!!、という強烈な震動が走り、上条が大きくよろめいた。
続けてもう一度石像が足を振ると、上条は耐え切れずに地面へ倒れ込んでしまう。
何らかのトリックでもあるのか、女だけは平然と立っていた。

「地は私の力。
 そもそもエリスを前にしたら、誰も地に立つ事などできはしない。
 ほらほら、無様に這いつくばれよ。
 その状態で私に噛み付けるかぁ、負け犬?」

勝ち誇るように言う金髪の女を上条は倒れたまま睨みつける。
だが、確かにこれは一方的な攻撃を可能とする戦法だろう。
銃を持つ警備員(アンチスキル)達も大して攻撃も出来ないだろう。
こんな不安定な足場で銃を撃てば照準が狂い、同士討ちを引き起こした可能性がある。
起き上がろうとする上条を牽制するように、さらに女はオイルパステルを一閃する。
再び石像の足が振り下ろされ、地が揺れた。
上条の右手、幻想殺し(イマジンブレイカー)が異能の力は破壊するだろうが、そもそも一歩も動けない。

「お、前・・・っ!」

「お前ではなくて、シェリー=クロムウェルよ。
 覚えておきなさい・・・っと言っても無駄か。
 あなたはここで死んでしまうんだし、イギリス清教を名乗っても意味がないわね。」


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