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SAO編−白百合の刃−
SAO4-赤い糸
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のプレイヤーを発見次第問答無用で攻撃し、投降した者を武装解除しては本拠である黒鉄宮(くろてつきゅう)の牢獄エリアに監禁していると言う話。投降せず、離脱にも失敗した者の処遇に対する恐ろしい噂も耳に入っている。あと、常に大人数のパーティーで行動し狩場を長時間独占してしまうこともあって、一般プレイヤーの間では『軍には極力近づくな 』と言う共通認識が生まれていた。
 十二人の重武装戦士の軍は、ガシャガシャっと鎧の触れ合う金属音と重そうなブーツの足音を響かせながら整然と行進し、深い森の木々の中に消えていった。

「行った?」
「行った」

 マップで軍が索敵範囲外に去ったことを確認し、茂み中なから出る。

「どうやら噂は本当みたいね」
「噂?」
「アスナから聞いた話だと軍が方針変更して上層エリアに出てくるらしいのよ。なんか元々は軍もクリアを目指す集団だったはすが、二十五層攻略の時、大きな被害が出てからクリアよりも組織強化って感じになって前線に来なくなった。それで最近内部に不満が出ているらしいみたいよ」

 二十五層は嫌でも覚えているよ。二十四層までのボスよりも遥かに強くて、でかく、破壊力が凄まじく、多大な犠牲者が出たんだから……。

「それで、前みたいに大人数で迷宮に入って混乱するよりも、少数精鋭部隊を送って、その戦果でクリアの意思を示すって言う方針になった様子。その第一陣がそろそろ現れるだろうって報告よ」
「実質プロパガンダなのかな? でもさ、いきなり未踏破層(みとうはそう)に来て大丈夫なの?」
「ボス攻略狙っているじゃない? あの人達がどれだけ賢いのかバカじゃないのかは知らないけど」

 各層の迷宮区には上層へと繋がる階段を守護するボスモンスターが必ず存在する。一度しか出現せず、恐ろしいほどの強さを誇るが、倒した時の話題性は抜群で宣伝になるとか……。

「だからあの人数……まさか、いきなりボス戦とかないよね?」
「賢いならね」
「いや、いきなりボスに挑むほど無謀じゃないんだと思うけど……」

 一か八かで挑んでも倒せるようなボスじゃないはず。それに、ほとんどボスとの戦闘をいきなり挑んで精神的に大丈夫なのかな?

「とりあえず、私達は私達で進も」

 もうすでに半日を迎えてきた。私はマントを外し、マップに気を配りつつ、可能な限りのスピードで進む。草原の向こうにそびえ立つ巨搭、赤褐(せきかつ)色の砂石で組み上げられた円形の構造物。第七十四層の迷宮区の入り口を目指した。



「さっそく、出たわね」

 七十四層の迷宮区の最上部近くで『デモニッシュ・サーバント』と言う、骸骨の剣士のモンスターと遭遇した。身長ニメートルを超える不気味な青い燐光(りんこう)をまとい、右手に長い直剣、左手に円
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