第百五話 遅れてきたヒーローその四
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「召喚せし魔人を元の場所に」
「シャバキさんってやっぱりそんな扱いなんだ」
「魔人だったんだ」
そう言われても皆が納得するものが確かにシャバキにあるのも事実である。
「まあ言われてみればねえ」
「あんなの見せられたら」
「うわっ、何だ!」
その皆の目の前で今シャバキが突然空から出て来た巨大な腕に捕まった。
「俺にはまだやらなければならないことがある!放せ!」
「やらなければならないことって?」
「だから世界滅亡を止めることじゃないの?」
これがただ人類滅亡や銀河滅亡や宇宙滅亡になるだけであまり大した違いはない。シャバキ自身も全くよくわかっていなかったりする。
「やっぱり」
「止めるってそう簡単に滅亡なんかしないし」
普通の人間はこう考える。
「あの人の脳内はともかくとして」
「まあとにかく」
シャバキは完全に捕まっていた。
「放せ!放せ!」
そしてその手の中で喚いている。
「御前にわかってたまるか!ノストラダムスの恐怖を!」
「ノストラダムスもねえ」
「色々な役演じてるわよね」
「下手な俳優さんよりもね」
シャバキの中ではノストラダムスはまさに万能の存在だ。そうした万能の存在としては他にその一万人委員会や黒髭やリトルグレイやエドガー=ケイシー、弥勒菩薩、他にも色々とその場その場で出て来る。つまり幾らでもボウフラの様に湧いて出て来るのである。
「人類滅亡への序曲が見えないのか!あの天使のラッパの音が!」
「はいはい、わかったから」
「帰って下さい」
「駄目だ、俺はまだやるべきことがある!」
それでもシャバキは叫び続ける。
「世界を救う!この俺がーーーーーーーーーっ!」
結局そのまま元の場所に放り込まれた。こうして主役が完全に交代した。
「さて、変態さんは消えたしね」
「後は」
「そう、ファイナルバトルね」
皆あらためて前を見据えるのであった。
「いよいよよ」
「ええ」
誰かの喉がゴクリ、と鳴った。
「博士とあの人の」
「闘いね」
秩序と博士は相変わらず睨み合っている。そこには凄まじいまでの緊張がある。
「まだ動かないわね」
「動けないのよ」
コゼットに七海が答える。
「二人共ね」
「実力が伯仲しているからね」
「そうよ。だからこそ」
だからなのだった。
「下手に先に動けば」
「やられるってわけね」
「そういうこと」
真に実力が伯仲している証であった。だからこそ迂闊には動けないのだった。
そのまま睨み合う。何時しか見ている面々は。
「ほら、お菓子」
「サンドイッチ」
何処からか食べ物を取り出してきていた。
「お湯ある?」
「こっちに」
「ビールもあるわよ」
「はい、サワー」
お酒まで出て来ていた。
「
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