最終決戦と未来へ……
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の頃だったかな……。その情景だけは、いつまで経っても私の中から去ろうとしなかった。年を経るごとにどんどんリアルに、大きく広がっていった。この地上から飛び立って、あの城に行きたい……長い、長い間、それが私の唯一の欲求だった。私はね、キリト君、リン君。まだ信じているのだよ……どこか別の世界には、本当にあの城が存在するのだと……」
「ああ……そうだといいな」
アスナに続いて、俺もうなずく。あの城は俺にとっての自由の象徴。あの城は俺を変えてくれた……
「……言い忘れていたな。ゲームクリアおめでとう、キリト君、アスナ君、リン君」
茅場は穏やかな表情で俺たちを見下ろす
「……さて、私はそろそろ行くよ」
その言葉を残し、茅場は消えていった
「……お別れだな」
そう言ったキリトの頭をはたく。キリトは、え?って顔をしている。アスナは小さく首を振った
「ううん、お別れじゃないよ。私たちは一つになって消えていく。だから、いつまでも一緒」
「さて……俺は一人寂しく……」
キリトとアスナに頭をはたかれた
「何言ってんだ。リンも一緒だろ?」
「新婚気分の夫婦の間に入る勇気はねぇよ……まあ、それも悪くない」
俺たちはほほえみあう
「ね、最後に名前を教えて。キリト君とリン君の、本当の名前」
キリトが思い出そうとしているので、それに苦笑しつつ口を開いた
「鈴木燐。それが俺の本当の名前だ。多分今は十七歳」
「桐ケ谷……桐ケ谷和人。多分先月で十六歳」
「すずき……りん君ときりがや……かずと君……」
口調がゆっくりになった。まるで魂にでも刻み付けているように
「キリト君、年下だったのかー。……わたしはね、結城……明日奈。十七歳です」
……結城?聞いたことあるがどこだったか……。そんな思考をしていると明日奈が俺とキリトに抱きついてきた
「わたし、幸せだった。和人君と会えて、燐君と会えて……ありがとう……和人君……愛してます……。燐君……大好きだよ……」
俺には明日奈に返す言葉が見つけられなかった
俺たちは抱き合ったまま光の粒子となり消えていく……
.
.
目が覚めるとそこは病院だった。俺は死んだはずじゃ……と思ったが、次の時には、そうか、茅場は生かしてくれたか……に変わった。俺が生きているということは、キリトもアスナも生きているということだ。長い間寝たきりだった影響か、体に全く力が入らなかった。それでも、一歩を踏み出そう。新たに始める人生。全てを取り戻し、夢に向かっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ