宇宙の蜉蝣
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いる。
これがドズル・ザビと言う人か……
シーマは感嘆する。威厳に溢れながらも偉ぶる所が全くない。僅か数分の間に権威と言う物に、反射的反骨心を抱いている海兵達の心も捉えてしまった。
アサクラでは無くドズル閣下の元で戦っていたのなら……
名目上の海兵司令アサクラ大佐の、小太りした姿を思い出し鬱然としたシーマにドズルは彼女の運命を決定付ける一言を放った。
「良い男達だな。どうだ少佐、物は相談だがソロモンへ来ぬか?」
「……は?」
「間違いなく激戦になるし死ぬかもしれないが、俺はここにいる皆で戦い、生き抜き、そして笑い合いたい。」
想像だにしない言葉に虚を付かれ、思わず愚鈍な返事をしてしまう。だがその中で彼女は確かに感じていた。
絶望と不信しかない中に差し込む一条の光を、その光に導かれるままに戦ってみるのも悪くない気がする。
高貴な獣の意を受け、蛹より蜻蛉は生まれる。
シーマ・ガラハウ。
蜻蛉がソロモンの海を舞う日も近い。
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