思惑
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るが、その彼ですら、今回のモビルスーツに依る機動防御計画を、過不足なく立案するのは困難であった。
ルナツー周辺を、監視している偵察部隊と、本国からの情報を示し合わすと、今作戦における連邦軍の戦力規模は、戦闘艦艇だけで250隻以上、モビルスーツにいたっては2500機ないし3000機程度と推測されている
「膨大な数だな・・・」
思わず嘆息してしまう。
比我の戦力比は3:1であり、ランチャスター法則を持ち出すも無く、そこにあるのは「壊滅」の二文字だけである。
「しかし防御総監、確かに恐るべき数ではありますが、練度や士気の面では我らが勝っておりましょう。昨日今日モビルスーツに乗り始めた輩など我らの敵ではありません!」
副官のザルツ小尉が言う
「勇ましいな小尉。確かに単純な練度では我らが勝っていよう。だがな小尉、奴らのモビルスーツは教育型のコンピュータを搭載しているらしい。これがどういう事か分かるか?」
「いえ・・・分かりかねます」
「まあ簡単に言えば、熟練パイロットが一緒に搭乗してくれてる様な物だな。例えパイロットが新兵だとしても相手の動きは、熟練のそれと同じと言う事だ。」
ザルツ小尉が息を飲むのが分かる。
ジオンのモビルスーツには、教育型のコンピューターなど搭載されていない。
戦闘補助プログラムは存在するが、それはあくまで補助であって、戦闘力その物はパイロットの技量に依存する。
例えどんな最新型の高性能機に乗せた所で、パイロットが新兵なら、その機体は満足な戦力にはならない。
翻って連邦はどうか?
答えは単純で明快だ
最低限の教育さえしていれば全てが熟練パイロットとなる
「しかもだ、その連邦の教育型コンピューターの基本プログラムは、あの白い奴のデーターらしい」
「ガンダムと言う奴ですか・・・」
ジオンのパイロットなら、等しく皆が恐れている連邦製のモビルスーツ、ザルツ小尉はその名を出したきり押し黙った。
RX78-2ガンダム。通称「連邦の白い悪魔」
潜入作戦中だった、当時少佐のシャア・アズナブル率いる部隊を翻弄し、地球降下以後は北米攻撃軍司令ガルマ・ザビ大佐を戦死に追いやり、青い巨星ランバ・ラル大尉、さらには突撃機動軍において、その名をはせた第7師団MS大隊付き特務小隊。通称 ー黒い三連星ー 等の名だたるパイロットを、戦死せしめたそのモビルスーツは、ジオン将兵にとって恐怖の的になっていた。
「厄介な事が分かったか?極端な話だが、我々は推定3000機前後の白い悪魔と闘わなければならんのだよ・・・まあ相手の力量その物は大した事ないし、モビルスーツによる戦闘行動にも慣れてはいまい、だがそれを考慮しても、よくて互角と言った所だろうな。」
「ならば我々はどうした
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