十話
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「は! さすがは写輪眼、ってか」
身をかがめたカカシの頭上を、鋭い蹴りが通り過ぎる。もし避けるのが遅ければ、首の骨がへし折れていただろう。
戦況は勿論カカシが不利。術を使うどころか、攻撃をする暇も碌に与えられない。それほどに、相手は徹底した戦いを繰り広げていた。
「これなら案外楽に手に入れられそうだな!」
「先人達に感謝だな」
かつての戦時、他里ではこんな格言があったそうだ。
曰く、写輪眼と対峙した時一対一なら逃げよ二対一なら後ろを取れ。
こんな格言が言われたということは、それが写輪眼に対して有効だったということだ。敵はおそらくこの格言を知っていたのだろう前衛と後衛一人ずつの二組に分かれ、常にカカシの正面と背後を陣取るように展開している。
(やはり、手ごわい)
前衛を巻き込むことを恐れて後衛が手を出してきていないことはありがたいが、それでもカカシの不利は揺るがない。写輪眼を解放している以上、カカシにとって長期戦は悪手。早々に勝負を決めたいところだが、二人の前衛の連携は隙が無く中々攻勢には出られない。
「さあて、このまま堅実にいかせてもらうぜ」
「急いては事を仕損じる。基本だな」
この様子では相手の油断を期待することもできそうにない。本格的に不味くなってきた。そう、カカシが感じたその時だった。
「!?」
「何者だ!」
突如、敵を無数のクナイや手裏剣が襲った。敵は難なくそれをかわすものの、一時的にカカシに対する攻撃の手を離さざるを得なくなる。
これ幸いとばかりにカカシは敵から距離をとり、戦いに介入してきたものの気配を探る。そして、目を見開いて驚いた。なぜならば、その気配はよく知ったものであったからだ。
「カカシさん! 助けに来ましたよ!」
「カカシ、私達だって仲間なんだよ。放っておくなんてできない!」
「お前ら……」
本来ならば命令に逆らったことをとがめねばならないはずなのに、カカシは自分の胸が温かいもので満たされていくのを感じた。
(そうだな。アイツ等は俺の仲間で、俺はアイツ等の仲間なんだ)
簡単なことだったのだ。自分が仲間を大切に思っている様に、仲間も自分を大切に思っている。ただ、それだけ。
「よし! 皆で、仲間を取り戻すぞ!」
「はい!」
「ええ!」
カカシの仲間、参戦。
二人の仲間の参戦によって戦況はがらりと変わった。
カカシが相手にするのは先と同じく上忍クラスの前衛二人。リンともう一人は後衛二人を抑えてくれている。この好機を逃すかと言わんばかりにカカシは激しく相手を攻め立てる。
「っ!」
「っの!」
「甘い!
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